「わたし」には、無限の可能性があるわけではない。身体も歴史も有限である。
では、病気や障害による症状、望んでもいなかった出来事や経験……さまざまな「痛み」すらも、自分の人生の有限性として、我慢して生きていくしかないのだろうのか。それとも別の道があるのだろうか。
「わたし」と「回復」をめぐる、熊谷晋一郎さんの物語を辿る。
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「わたし」には、無限の可能性があるわけではない。身体も歴史も有限である。
では、病気や障害による症状、望んでもいなかった出来事や経験……さまざまな「痛み」すらも、自分の人生の有限性として、我慢して生きていくしかないのだろうのか。それとも別の道があるのだろうか。
「わたし」と「回復」をめぐる、熊谷晋一郎さんの物語を辿る。
Read more転勤族の父とともに、根を下ろす ‘地元’ を持てずに各地を転々とする子ども時代でしたが、年に二回、夏のお盆と冬の年越しには親族が集う時間がありました。
Read more「日本は恥の文化、空気を読むことで己を律する。一方で欧米は罪の文化、自律的に己を律する」とアメリカの日本文化研究者は説明した、と中学の社会科の授業で学んだとき、わたしは何だか恥ずかしい気分になった。
Read more恵まれていることが、ずっと恥ずかしかった私と「のうぜんかつら」のこと。
Read more「生きることは表現することそのものだ」と思ったのはいつだっただろうか。表現という切り口で自分を振り返ってみると、その時々の自分が見えてくるように感じる。
Read more冬は、夏のように毎日畑へ通わなくても、野菜は元気だ。だからつい畑から足が遠のく。先週末も今週末も雨が降ったから、10日ぶりの畑だ。ここ最近のわたしはからだも心もあまり調子が良くなかったけれど、畑に行ったら元気が出るかもしれないという淡い期待を抱いて向かう。
Read more日本には重度訪問介護という制度があり、これを使えば、身体を自力ではほとんど動かすことが難しいというような身体機能障害のある人でも、介助者を雇って育てて、自分の住みたい場所、暮らしたい街で、自分が望む暮らしをかたちづくっていくことができるようになります。その具体的な方法や制度のなりたち、ヘルパーの仕事などをコンパクトに語ってくれるのがこの本です。
Read moreMy family moved a lot for my father's job. The experiences of mine as a transfer student were very different from the flattering ones of my father’s and the one of my grandfather’s work ride in a horse-drawn carriage.
Read more我が家は祖父の代からの「転勤族」で、私も父の転勤に合わせて、小学生の頃から転校を繰り返してきました。都会から田舎までさまざまな地域で過ごしましたが、根を下ろす「地元」は持てずじまいです。「障害ひとり親」、という現在の立場に至る前から、「転勤族の子ども」というマージナルな立ち位置から世界を見つめていたのかもしれません。
Read more10月も半ばになり、気温が下がって、散歩日和が続いていた。久しぶりに歩いて畑へ向かうと、季節外れの桜が咲いている。
Read more・ジャックジャンヌ「Ms.Robin」
・つづ井『まるごと 腐女子のつづ井さん』
・谷川俊太郎「大岡信を送る」
人生でいちばん堕ちていたとき、わたしはもう何カ月も自宅に引きこもっており、しかしその日は大学病院の救急処置室にいた。
Read more僕は恐らく軽度のADHDだと思うし、躁鬱病(双極性障害)だろうし、適応障害かも知れないし、まず間違いなくアル中で、他にもなんやかんやあるかも知れない。でも僕にはそういった診断は一つもついていない。たまたま主治医が「そういう」人ではなくて、診断名をつけようとしなかったのだ。一方で毎週新しい診断名が増えていった友人もいる。
Read moreテーマである「病」とは何かを、私はよく理解していない。「症状」なら分かる。鼻水が出る、頭が痛い、気分が落ち込む、これは症状だ。
困るのは、抱えた「症状」がどの「病」にもいまいちハマらないときだ。例えば、私は20代前半の時に、「めっちゃオナラ出る」という症状を抱えた。
風邪のようにはサクッと治ってくれない類の「病」がある。お医者さんによって「名付け」が可能な単位で数えてみれば4つ5つが束になっていて、日々の生活と絡み合ってあれやこれやの「ままならなさ」ー「障害」と言ってしまってもよいだろうーを形成し、それらを携えていかねばならない、そういう身体を生きている。
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