冬は、夏のように毎日畑へ通わなくても、野菜は元気だ。だからつい畑から足が遠のく。先週末も今週末も雨が降ったから、10日ぶりの畑だ。ここ最近のわたしはからだも心もあまり調子が良くなかったけれど、畑に行ったら元気が出るかもしれないという淡い期待を抱いて向かう。
到着してまず目に飛び込んできたのは、思った以上に勢いよく育った大根の葉だ。「でけえ!」と思わず歓声を上げた息子と共に近づくと、勢いが良いのは大根だけではなさそうだ。畦(あぜ:畝と畝の間)には雑草がびっしり生えている。
小松菜は虫食いだらけだ。小カブの葉もやられている。春菊とほうれん草は無事だ。香りがきついから虫が寄りつかないのだろうか。
まず小カブをいくつか抜く。育ちすぎて実が割れているものもある。小カブは、葉は軽く茹で、実はそのままスライスして、旭ポン酢で食べるととてもおいしい。お次に春菊。これはお鍋やうどんに入れて食べることが多い。
そして大根に取りかかる。息子に「やってみる?」と尋ねると、興奮した顔をしながらも「ママがやって」と言う。茎を持って引っ張るけれど、抜けない。息子がそれを見て、笑い声を立てながらわたしのからだを引っ張る。「ママがだいこんをひっぱって、しょうごがママをひっぱって」と言っている。『おおきなかぶ』ならぬ「おおきな大根」だ。
ちなみにどこが茎かというと、わたしたちが食べている白い部分の、葉に近い箇所らしい。もっと具体的に言うと、ひげのような根(側根)が生えている部分を主根と言い、側根が生えていない葉に近い部分を茎と言うらしい。実とは呼ばない。
話は戻る。茎を引っ張っても抜けないので、茎を持って折れないように気をつけながら、根を軸にしてぐるぐると円を描くように回す。息子が根の周りの土を掘って加勢してくれる。何度も何度も回すと、「お、抜けそう」という感覚が伝わってきて、スポンと抜ける。立派な大根が収穫できた。
実家にお裾分けしようと、うちの分と合わせて2本抜き、友人にも「抜いていいよ」とLINEする。残った分はまた明日にでも収穫して、ベランダに干して保存しようと思っている。
大根を収穫できたことがうれしく、また大根引きでからだも温まって、とても元気が出た。
それから春夏に一緒に畑を借りていた友人がすっかり来なくなったので、友人が使っていた部分に玉ねぎを植えようと考えている。調べてみたら、12月中旬までに植えたらいいようなので、今週土づくりをして、来週末までに植えられたらという計画だ。
これから寒さが厳しくなるけれど、玉ねぎを食べる春が、すでに待ち遠しい。