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臨月を迎えて

December 6, 2017 Yuhei Suzuki

12月。臨月を迎え、いよいよいつ産まれてもおかしくないという時期に入ってきた。

赤子の体重も3,000g近くなり、経過は順調のようで、検診に行って先生にこんなことを言われたとか、髪の毛がふさふさだとか、指をよく舐めてるとかそういった断片情報をツマからのLINEで受け取りながら仕事をする。

ツマのお腹は、この1,2週間は見た目で受け取る印象的にはあまり大きさが変わっていないように見えるが、よくお腹が張るとか、寝る時には腰のこの辺が痛くなるだとかいう話を聞くにつれ、僕が両親学級でヘラヘラと疑似体験したぐらいじゃわからないような、地味ーで持続的な負担がツマの身体にはかかっているんだろうなと思う。

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それはさておき、師走なのかなんなのか、仕事の方がめっぽう忙しくって。

予定日の週は極力何も予定を入れないようにして、予定入れる際も「空いてるから仮で入れるけど、陣痛起こったらリスケってことでよろしくね」と相手に伝えたり、忘年会の類は「欠席カウントにしておいて、当日何もなかったら行く」というような感じでバッファを持たせておいている。

その前の週までは、遠方出張とかイベント登壇とか、営業先との割りと大事な回とか、なかなかこう急に代打というわけにはいかない予定が目白押しなのだが、予定日の週に期待した通りに産まれるという保証はどこにもないわけで…夫婦揃ってお腹に向かって「君の誕生日は22日だよー」なんて語りかけたりしている笑

話は変わるが、先日、医師の先生と仕事のミーティングをしているときに、「実家出産の場合のオットの所在のなさ」について話題になった。その先生も実家出産で、僕よりも遠方ながら週に一回は顔を出していたということだが、たまに顔を出しても実は大してオットにはやることがないのだ。特に産休中は。

ましてやツマの実家なので、微妙に気を遣う(笑)夜遅くに到着して、ご飯やお風呂までお世話になって、でも別にやることもないし…と、なかなか恐縮してしまうのだ。

仕事でもなんでもそうだが、やはり一定の時間、ある程度の反復継続性のある作業を積み重ねてみないとなかなか一単位時間あたりの仕事の生産性というのは上がりにくいもので、どうしてもオットの戦力値というのは低く留まりがちだ。しかも、ツマの側には、ツマの母上という、「すでに経験した人」がいるわけで。

でも、やることが少ない、役に立たないからといって顔を出す頻度を下げればますます子育てへの関与度・戦力値は下がっていく一方だし、コミットメントしていないことへの負い目はより大きくなる…

こういう、オットの側の悩みというのは、なかなかメディアには出てこないし、基本的にはやり玉に上げられdisられる側だから、自分たちからも声を上げにくい…そんな話を先生とした。

ところで、他人との付き合いであれば、こういう問題はほとんど発生しない。

友人関係であっても、お互い付き合い続けるのが負担だなとか、かけた時間に見合わないなと思えば自然と付き合いは遠のいていくし、サークルとかボランティア活動とかだって、「まぁお互い無理のない範囲で楽しくやろうや」というゆるさでもって運営されることが多いから、他が忙しい、かつ優先順位が低いなと思った人は顔を出さなくなるし、残っている側も無理に追ったりはしない。

仕事の場合だとそうはいかない場合もあるが、それでもリソースには限りがあるし、費用対効果の概念もあるわけだから、アウトプットを出すのにあまりにも時間がかかりそうな相手とのプロジェクトは、そもそも立ち上がらなかったり、いつの間にか立ち消えになったりするのが常だろう。

だけど、子育てはそうはいかない。「しんどいから」「忙しいから」で投げ出してしまえば生きていけない存在がすぐそこにいるのだから。

結婚とか家族とか家庭とか、好き嫌いや損得だけで簡単にフェードアウトできない縛りを設けることは、実は思った以上に重要なのかもしれない。

絆-きずなは、'ほだし'とも読む。歓びや幸せは、面倒臭さの裏側にあるのだろう。

眠気まなこをこすり、早く切り上げようと思いつつ残ってしまった仕事を抱えながら、今週もツマの実家に顔を出している。

In essay Tags male-hus-dad-parent-andme

#15「ツマと、夕食: オットの三十路祝いでケーキ」2017/12/3

December 3, 2017 Yuhei Suzuki

ツマは高尾のご実家で産休中。オットは週2ぐらいでお邪魔してご家族と一緒にご飯いただくという生活を始めて1ヶ月ぐらい経ちましたが、仕事終わりに夜遅くなりがちで、この夫婦お絵かき日記も更新途絶えておりました。

今日はオットの方が誕生日でして、三十路を迎えまして、ケーキでお祝いしてもらいました。ほんで久しぶりにお絵かきしましょうかと。

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ツマ「ケーキはどれぐらい食べる?」

オット「んー、このぐらい…」

ツマ「イチゴひとつ分の幅ね」

オット「ちょっと太ったから…サーティーをアラウンドするたびに人間の代謝は落ちていくのだな。毎日一駅歩いてるけど忘年会シーズンで飲んで食ってしてたら焼け石に水だわ」

ツマ「でも、ケーキはさておき、今日は鍋だったからあんまりカロリー摂ってないよ。ヘルシー」

オット「そう、それで思ったんだけど、俺も家で一人鍋を食事の主軸に据えようかなと。料理簡単だし野菜取れるし腹膨れるしカロリー少ないし」

ツマ「白菜、ネギ、豆腐、水菜、キノコあたりは安いし、切ってぶち込めばいいだけだから調理簡単だし、続くんじゃない?」

オット「ちょっとがんばってみる」

ツマ「私も体重増えすぎてお医者さんに怒られてるから気をつけるwこないだも『ちょっと〜、増えたねぇ…ギリギリ〜』って言われた」

オット「ドンマイだ。ところであれ、もう臨月じゃないですか」

ツマ「はい」

オット「陣痛、10分間隔で続いたら電話して入院、みたいな両親学級で教わったフローチャート的なのあったじゃん。でも今後、予定日以前も本陣痛ではないけどお腹いたーいみたいなの発生するよね」

ツマ「そう、ニセの陣痛ってやつが起こるんですよ。正式には前駆陣痛と言います」

オット「陣痛来て入院したら俺連絡受けて会社から高尾に向かうじゃん。ニセの陣痛の時はどうすんの?何したらいいの?戦力になる?」

ツマ「何したらって、いやぁ〜、『だ、大丈夫か?』って気遣うとか?」

オット「大丈夫か?って言う。でもさー、『おなかいたーい』ってニセの陣痛のときLINEもらった時に、なんか僕忘年会とか出てたらすごいいたたまれない気持ちになりそう」

ツマ「別にやることないし、いいんじゃないの?w」

#15 「ツマと、夕食: オットの三十路祝いでケーキ」2017/10/31

本日の夕げ

・鍋(かに、ふぐ、牡蠣、などなど)

・お刺身(車海老、関アジ、貝、などなど)

・バースデーケーキ

上がオット作

下がツマ作

In essay Tags pair

高尾から中目黒に移動しながら書いたやーつ

November 30, 2017 Yuhei Suzuki
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朝起きて定点観測的に写真を撮って会社行くまでの東急線に揉まれながらスマホでパパっと思いついたこと書くというこの試みは、慌ただしさにかまけてすっかり自分で書く機会が減った自分のリハビリというかいやそんな本格的ではないけどまぁ習慣付くといいなという期待で初めてみたが、どっこい11月は輪をかけて忙しくって、どうにも毎日とはいかない。

産休に入ったツマの実家、高尾に週2で顔を出す生活も1ヶ月が経ちまして、昨晩も仕事終わってから高尾に行って晩御飯をごちそうになって泊めていただくという、ツマにもご家族にも感謝感謝の夜だったのですが、今日は3件外回りが入っておりましてその資料ができてないものだから早朝始発バスに乗り込んでそしていま中央線でこれを現実逃避気味にカタカタ書いております。なので今日の写真はいつもの朝のベランダじゃなくて夜明け前の高尾のバス停なのだ。あ、新宿着いた。

山手線に乗り込みまして、スマホに持ち替えて続きを書いとるわけですが、この時間で山手線はもう、満員とは言いませんが十二分な人が乗り込んでおり、上京して10年経ちますが、やっぱり東京すごい、人類がいっぱいいるね。

昨日はお仕事で企画ご一緒する方と打ち合わせしてたのですが、僕のこのnoteとかTwitterとか記事とか読まれていると知り、うへぇこんなおっぱいとか眠いとかしか言ってないアカウント(しかも所属明記してる)ですみませんって感じですが、昼間のお仕事では最近もっぱら管理・企画・営業が中心の人なもので「お忙しいなかさらっと書いてるブログでもあれだけ書けるのは、やっぱり書く人なんだなって思いましたよ」と言っていただいたりなんかして、へっへっへ。嬉し恥ずかし、もっとちゃんと、書く時間取らんとなぁとか思ったりなんだり。

もう11月がおしまいとか驚愕なんだけど色々がんばる、今日も。

In diary Tags diary

オットは結局あまり戦力にならんのだからせめてポジティブでいようと思った話

November 23, 2017 Yuhei Suzuki

ツマは明日から臨月に入る。お腹の中の赤子もいよいよもって大きくなっております(体重、けっこうあるよ)。

「パパになるとか一体どういうことなんだ、わからん」っていう逡巡から始まって、これまで書いてきたのだけれど、最近は気持ちの面では変な不安はなくなってきた気がする。

別に大きく状況が変わったわけではない。

子どもが生まれてから自分や家族や暮らしがどうなっていくのか、相変わらずわからないことだらけであるし、そもそも母子ともに安全な状態で生まれてくる保証なんてどこにもない。

「わからない」ということ自体は何も変わっていないし、特に何か大きな発見や成長イベントがあったわけでもないのだけれど。

「まぁ、どうなったとしても、なんとかなるし、家族で助け合ってなんとかするんだきっと」 と、わからないことを前提に対処していくんだという意識になってきたのか、不思議と気持ちが落ち着いてきている。

相変わらず慌ただしく働きながら、うとうとしながら電車とバスを乗り継ぎ(たまに寝過ごす)、週に2回はツマのいる高尾に顔を出すという日々で、1週間があっという間に過ぎていく。実際の時間で測ったらツマやツマの家族と一緒に過ごして会話を交わす時間はほんのわずかでしかないのだけれど。

心はそこそこ穏やかで、なんだか不思議な、凪のような時間を過ごしている感じだ。

もしかするとこれは束の間の錯覚に過ぎなくて、12月に入れば怒涛のように日々が過ぎていき、振り返る間もなく「その日」を迎え、生まれたと思ったらまた右往左往のオロオロデイズが待ち受けているのかもしれない。

そうだとしても、今のこの鷹揚とした感覚は、なるべく忘れないようにしたい。

前回の記事でも書いたとおり、産休中のツマの方は、やはり不安やストレス、肉体的疲労等が伴ってのアップダウンがある。今後、予定日が近づくにつれてますます大きくなる可能性もあるだろう。

一方で、そういったツマのストレス源や負担を具体的に減らせるかという点では、オットは実戦力としてはほとんど役に立たない(ということがわかってきた)。

そうだとしたらなおさら、僕の役割はとにかく「前向きでいる」ということなのかもしれない。

もともとはどちらかというと僕の方がネガティブでアップダウンが激しい性格をしており、凹んではツマに慰められるというのが常だった。 今はツマが一番不安が大きいのだ。

こういう時には、「根拠のないポジティブさ」というのが大事なのだろうな。

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In essay Tags male-hus-dad-parent-andme

ちょろちょろぱっぱ

November 20, 2017 Yuhei Suzuki

自分は何が、どんな人が好きかというのは、ちょこちょこ小出しに発信していくと、「こんなのどう?」という機会をいただきやすくなるのでやっておくといい。

だけどこういうのは、あまりに大声で全方位共感を求めて叫ぶ必要はなくって、というかそういうテンションでやると「そんな都合のいい話はないよ」とか善意なのかしらんけどでも誰も得しないみたいなよくわからないアドバイスが飛んできたりして自分もぐぬぅってなると思うので、野望の表出はあくまで控えめに、限定された信頼できる相手に留めておいた方がいい。

ウェブで発信する場合もあまりお返事を気にせず、しかしひそかな確信だけは持って、虚空にひとりごとを放流するのが良い。と思うな。

関係ないけど、はじめちょろちょろなかぱっぱっていうフレーズのリズムと響きが好き。

In diary Tags diary

産休・育休時にオットがやるべきは「家事をがんばる」とかそういうことではなく

November 13, 2017 Yuhei Suzuki
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「産休・育休のひとつひとつのタスク自体はたぶん大したことなくって。それよりも、コミュニケーションの相手がものすごく限定されるのが大きいんだということを、わかっておいてほしい」

産休に入り、高尾の実家に帰ったツマとの「産休はなれ暮らし」が始まって2週間。

子どもが産まれてからは否が応でも慌ただしい生活が始まるのだから、今のうちにお互いが大事にしたいこと、お互いに求めることを整理して言葉にしておこうという提案をツマからもらい、①人としての生活の自立、②ツマ/オットとしての生活、③家族の一員としての生活、④ママ/パパとしての生活の4つの軸で、今出来ているから維持してほしいこと、これから出来るようになってほしいこと・気をつけてほしいことをお互いに書き出して交換した。

その時のやり取りの中でツマから言われたのが冒頭の言葉。

言われてみれば確かにそうだな、という話なのだけど、改めてそれを要望としてまっすぐに伝えられるまで、ことの重大さは自覚し切っていなかったと思う。

ツマの実家ぐらしが始まってから、週に2回はあちらに顔を出すということをしているのだけど、やはり仕事の関係もあり、夜遅くに着いてメシ食って泊まって早朝また出社…みたいな感じになってしまって、わたし自身がツマの「昼間の生活」と交わることはない。

時々、「ヒマー」とLINEが飛んでくるが、日中なかなかタイムリーにお返事をできることもないのが正直なところ。しかし、「ヒマだ」というツマの言葉は、けっこう馬鹿にならないシグナルだったのだ。

ツマが産休に入るとか実家に帰るとかいうのを、「出産に備えた休み」などと素朴に考えていると見落とすのが、これまで会社で働き、都内でさまざまな人と関わっていたツマの「人間関係のチャネルが急に限定される」ということ。

身体のなかの赤子のためにも健康に気をつけながら、犬の散歩をして、買い物やごはんの支度をして、その合間に母親と分担しながら祖母の介護をし…といった生活範囲の中では、基本的にツマの話し相手は家族しかいない。

時折やって来る友人やオット(わたし)は、ツマと外界を結ぶ数少ない"窓口"なのだ。

一方でわたしは、社内外で毎日色んな人と仕事をしたり出会ったりして、その上にプラスオンでツマやツマの実家ご家族との接点がある。前提が真逆なのだ。うっかりするとそれを忘れてしまう。

わたしたち男性は、ともすれば量的・物理的ソリューションというか、「産前産後や育児のあれやこれやのタスクを自分がどれだけ担えるか、それはツマに比して不十分ではないか」みたいな観点で頑張ろうとしたりするんだが、実タスクを何%担っているかなどといった”担当業務”の問題よりも、ツマとの他愛のないコミュニケーションの時間をどれだけ持てているのか?という方がよっぽど大事なのかもしれない。

ツマが産休に入る前は、「週3で顔出すよ!」などと豪語していたのだが、やはりそれなりに移動距離はあり、体力的にも、仕事の時間的にも、週2回で精一杯というのが実態である。でも、「疲れるから」といってこのラインを下回るようなことは絶対にするまい…とは決めている。

そんなに毎日ドラマチックなことばかり起こるわけではありませぬが、限られた時間だからこそ、わたしはツマに毎回いろんなおみやげ話を持って帰れるぐらいには一生懸命に昼間を過ごそうと思うのだ。

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世代の宿題

November 8, 2017 Yuhei Suzuki
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最近は「あ、自分いなくても回るなこれ」と思う場面が増えてきて、それはいいことだと思う。

それはそれでやることはあるので、はたらけどひまにならざりって状況は変わらないのだけど、手足や頭の使いどころは変わってきたし、少し前より遠くを見て考える余裕が生まれてきたのはありがたい。

その分、自分の今後の動きというか、ミッションというと大げさに聞こえるけど、やはりわたくし社会の中でみなさんと共に生きてるわけですから、自分の時間と生命はなるべくダブりのないようにというか、いい感じにすき間を埋められるところはどこかなって考えてます。

「たぶん、"世代の宿題"っていうのがあってさ」

以前執筆を担当した対談で鈴木菜央さんが言っていたこの言葉はとても印象に残っていて、最近、頭の片隅に置いている。
(楽しいけど食えない、食えるけど楽しくない。その向こう側に行くには? グリーンズ鈴木菜央・小野裕之が語る「ソーシャルな会社のつくりかた」)

なんだって僕たちは先達の遺産の上に乗っかって表層を生きてるわけですが、部分部分を見ると先達が成し得なかったことは当然いつもあって、それが現代や次代を生きる人たちの問いであり宿題になる。

なにかの社会課題ひとつ取っても、科学の発展や当事者運動や色々あって今に至るわけだけど、最近はナチュラルに自分が知って学んで、組織もちょっとずつ足腰が立ってきて…って足し算中心のフェーズじゃなくて、歴史の流れを踏まえた自分たちの役割の定義や実践というのを、気持ちや意識の面だけでなく方法論としてもちゃんと組み入れていく必要があるなと感じる。

もっと身近で短期的な話で言うと、"世代の宿題"というのは事業の2-3年とか会社の5-10年とかのスパンでも同じことで、去年出来てたことを繰り返しているようならそこに自分の宿題はないなということを認識した方が良いのだと思う。ちゃっちゃと次世代に譲り渡した方がいいし、仮に彼らが同じようなことに取り組むにしても、自分が以前1年かかってやっと出来たことを半年未満で展開するにはどうすればいいか?を問うて仕掛けていかないとあんまり自分の存在価値はないよなぁと。

まぁ僕自身が飽きっぽい性格なのもあって、「あ、これ出来るな、もうやったな」と思うと興味が薄れがちなので(それはそれで気をつけなきゃいけない場面もあるけれど)、自分が楽しく働き続けるためにも、いつも次の宿題、まだ答えが見えない問いというのを抱えてないといけないのだと思う。

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海の向こうからのエール、「フィンランド・ベイビー・ボックス」とのご対面

November 5, 2017 Yuhei Suzuki

11月。 産休に入ったツマは実家で出産に備え、僕は一人暮らしをしながら、週に2回ほど顔を出すという日々が始まった(まだ1週目だけど)。

案の定、ツマがいなくなってから3日連続床で寝落ちするという極めて幸先の悪いスタート。赤子を迎え入れる前にもう少し人間らしい生活スタイルを身につける必要がある。

それはさておき、少し前に注文して、ツマの実家に届いていた「フィンランド・ベイビー・ボックス」と今日対面することができた。

こちら、フィンランドのパパ3人が起業して始めたサービスで、赤ちゃんが生まれてから1年に必要なグッズをひと箱に詰めたギフトボックスである。

https://www.finnishbabybox.com/ja/

開けてみるとこんな感じにほら。

赤ちゃんの寝間着、部屋着、外出着、スタイやお風呂・衛生用具、哺乳瓶にぬいぐるみetc. 赤ちゃんとの最初の1年を過ごす必需品がたっぷり。
(あとコンドームも入ってたw)

衣類は複数のサイズが入っているほか、注文時に「冬の一番寒い時期に赤ちゃんは何ヶ月ですか?」「冬の一番寒い時期はどのぐらいの寒さですか?」という質問に答えることで、赤ちゃんの発育具合や気候に合わせて、サイズ・暖かさがカスタマイズされて届くという優れもの。

さらに驚くべきは、これがそのままベビーベッドになるということ。

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マットレスに防水カバー、シーツに布団も完備。

あとはおむつやミルクなどの消耗品を中心に書い足す必要はあるけれど、このボックスひとつで、赤ちゃんをお家に迎え入れるための大半のグッズが揃うといっても過言ではない。

少し前に、パパとしての実感を高めようとツマと一緒に西松屋に行ったのだけど、情報量の多さに圧倒されてオロオロしてしまった(笑)

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だっておむつだけでこれだけあるんだよw

もちろん、産まれてくる赤子を思い浮かべながら、ベビー用品をあれこれ物色して選ぶ時間も大切だと思うけど、このフィンランド・ベイビー・ボックスのように、「このひと箱でOK!」ってまとめてくれるととっても心強くて安心だよね…

そもそもこの宅配ボックスサービスがどうして産まれたのかというと、本国フィンランドでは、出産家庭への手当として、国からこのようなボックスがプレゼントされる仕組みになっているそうなのだ。

フィンランドでは、出産が近づくとKELA(フィンランド社会保険庁事務所)から両親に国からのプレゼントが渡される。これは母親支援の手当の一つで、現金支給か育児パッケージのどちらかから選ぶことができる。現金支給だと約140ユーロ、育児パッケージだとその倍以上の価値のある育児グッズがもらえることもあり、赤ちゃんを迎える家庭の3分の2が育児パッケージを選択するという。

もともとこの育児パッケージは、乳児死亡率の高かった1900年代始めに民間の母子支援活動から始まったもの。それは1937年に法制化され、母親手当の現物支給となり、当時あった所得制限も1949年には撤廃されている。今では地域の出産や子育ての支援センター「ネウボラ」や医療機関で妊娠健診を受診していれば、全員もらうことができるようになっている赤ちゃん歓迎の祝福のシンボルだそう。

「フィンランド政府の出産祝い 衣類やオムツ全員に」
日経DUAL, 2014/10/09
http://dual.nikkei.co.jp/article/034/52/

2013年にフィンランドのこの施策がBBCで紹介されると、世界中から購入希望があったという。だけど、フィンランド政府公式のボックスはフィンランドの人たちしか手にすることができないのだ。

そこで、このスターターキットの便利さや、出産・育児を祝い、応援してもらう喜びを世界中の人たちにも共有したいという思いを持つフィンランド人のパパ3人が起業、政府公式のボックスを踏襲したオリジナルパッケージでの「フィンランド・ベイビー・ボックス」を世界各地に販売・配送するサービスを立ち上げたのである。

モノとしての便利さ、かわいさもさることながら、こうやって、未来のパパ・ママを応援しようとしてくれる先輩たちが海外にもいるのだという事実が、出産前の不安な僕たちと勇気づけてくれる。

「苦労は買ってでもしろ」なんてことわざがある。

実際、子育てにしろなんにしろ、自分で汗かき試行錯誤するなかで人は成長するのだろう。

だけど、やっぱり子育ては不安で心配だし、いくら準備しても、どれだけセンスのある人でも、きっと苦労は絶えることがないのだから、ほんの少しの工夫で子育てが「楽」になるなら、それは積極的に使っていったらいいし、そのためのアイデアや取り組みはもっと広がっていけば良いと思う。

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時には顔を上げて

November 1, 2017 Yuhei Suzuki

建物を建てたことはないけど、基礎工事が大事だというのはサービスづくりやメディアづくりも同じで、基礎を怠ると後でガタガタになる。

とはいえ基礎工事は地道なもので、長い工程のうち一個一個のアウトプットに対してすぐに劇的なフィードバックが返ってくるわけではなく、一定の溜めの期間を経てだんだんと成果が跳ね返ってくる類のものだから、長期にわたってモチベーションを保ち続けるにはちょっとした工夫が必要だ。

それは、表に見えにくいアウトプットであってもしっかり価値を認識して賞賛する文化であったり、適切な期間で区切ってマイルストーンを置いたり、全体のアウトカムだけでなく、作業に従事する個々人の行動やスキルレベルでの成長に基づいたフィードバックサイクルを作ったり色々ある。

だけどやはり重要なのは基礎を組み固めた先に自分たちはどれほど高いところ、遠いところに行けるのかというビジョンを描くことであるし、また共有することだろう。

面白いのは、基礎工事をやっているなかでも個々人の習熟に応じて見える景色は変わってくるということだ。最初はおぼろげで、まだ霧がかかっているような風景だったのが、色々やっていくうちにだんだんくっきり見えてくる。その繰り返しでビジョンが鮮明になったり、あるいは微調整の後アップデートされたりする。

だから基礎工事の過程でも、ちょくちょく目線を上げて遠くを見るようにした方がいいし、なるべく定期的に個々人が見ている風景を持ち寄り語らう場を持った方がいいのだ。きっと。

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きっと誰もが、「ヨチヨチ父」

October 31, 2017 Yuhei Suzuki
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「買ってきたよー」とツマに手渡された一冊。

ヨシタケシンスケ著『ヨチヨチ父−とまどう日々−』を読んだ。

ヨシタケシンスケ氏は、『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)をはじめ、子どもの目線で日常の何気ない一コマを描く絵本作家・イラストレーターである。

僕のツマをはじめ、発達心理や児童福祉、教育等々の界隈で働く人にファンが多く、僕も布教されるがままに4, 5冊読んだのだが、ユーモラスなお話づくりがなかなかクセになるのだ。

本作は、そんなヨシタケシンスケ氏自身が父親になって、はじめての育児を体験したとき、つまり"ヨチヨチ父"の日々を振り返って描いた、"父親目線"での育児エッセイだ。

僕を含め、子どもが産まれるまえからオロオロしているプレパパや、今現在ツマにやいのやいのと言われながら奮闘中の現役ヨチヨチ父にとっては、この上なく貴重な「味方」になるだろうと思う笑

「ホラ!ジャーン!母子手帳。」

「…『パパ手帳』はなくていいの…?」

おそらく母子手帳をもらったばかりの(プレ)ママと、それを見せびらかされてうろたえる(プレ)パパの絵が表紙裏のそでに描かれている。

もう、この表情に、世の男性の育児に対する不安が凝縮されているといっても過言ではない笑

教科書とかマニュアルとか手帳とか試験とか資格とか…学習プロセスで「形あるもの」に依拠したがるのはどちらかというと男性に多いように思うけど、育児の場合はそれがほとんどない(両親学級で配られるパンフレットぐらい?)。その上、徐々にお腹が大きくなってそして苦しみながら我が子を産み落とす…という「体験学習」の機会もない。

「え?俺?パパになるの?大丈夫?どうやってなるの?何を終えたらパパ認定なの?」と、所在のなさを抱えたまま出産の日を迎える。

そして、本書冒頭の漫画で戯画的に描かれているような、「頼りないお父さん」が赤ちゃんと一緒に誕生するのである笑

そこから先もヨチヨチ父さんに待ち構えているのは試練の連続である。

赤ちゃんの抱っこ、沐浴、おむつ替え、それから爪切り…日常の赤ちゃんケアあれこれはもちろんのこと、ぎこちない。 そしてそのおぼつかなさを見かねたママに叱られる…w

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と、こんな感じで新人パパが直面するあらゆる試練がコミカルに描かれていて、もうこれは読んでてまったく他人事じゃないw

ただ、この本の素敵なところは、とことん自虐的に描きつつも、ヨチヨチの日常のなかにささやかな幸せが指し示されているところである。

泣き出した赤ちゃんをあやしながらお店の外に出るパパの背中は、"他の誰かをホッとさせ、楽しませ、勇気づけている"のかもしれない、という話とか 親になるということは、「強さ」や「弱さ」でははかることのできない「新しい何か」を手に入れること、だとか

随所にグッとくるエピソードがあって勇気づけられる。

読めば読むほど、ヨチヨチ苦難の日々は避け得ない気がするし、平坦な道のりのはずはないんだけれど、でもなんだか、ちょっとだけ、「その日」が楽しみになってくる。なんとかがんばれそうかな、って気持ちになる。

そんな本です。

*

「いやー読んだけどこれ、ここに書かれているヨチヨチ父エピソード全部そのままなぞる気しかしない。二足歩行出来る気がしない」

読み終わった後、こう言ったら、

「うーん、そうだね。でもね、私この本読んで、あなたがヨチヨチ父なように、きっと私もヨチヨチ母をやるんだと思ったよ」 と、ツマ。

きっとツマも不安なのだろうなと思う(当然だが)。

二人でヨチヨチ、歩いていこう。

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レストランの「無限パンシステム」の最適解を僕はまだ知らない

October 31, 2017 Yuhei Suzuki
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「無限パンシステム」、あれ難問だと思いませんか。

いやあれ、レストランとか行くとバスケットに入れられたパンが無制限に補充されてくるやつ。あれの最適解がわからない。

「いや、食べたくなかったら断ればいいじゃんw」とツマは言うのだが、ことはそう簡単ではないのだよ奥さん。

「パンのおかわりいかがですか?」と紳士的な笑顔で聞いてくるスタッフさんに対して、「あ、大丈夫でーす。ありがとうございます」とハキハキ即答するというのは、私みたいな人見知りにとって、けっこうな高等スキルなのである。

ちょっとタイミングがずれようものなら、相手はもうあのカチカチバサミでパンを挟み、バスケットから出すモーションになってるものだから、「あ、はい、ありがとうございます、じゃあ、同じの2つ…」みたいな感じでなし崩し的に受け入れるしかないのだ。総受け。

なので、いかにホールスタッフに「あ、あの人パン足りてへんな」と思われることなく、自然なペースで、パンを食べつつ残しつつしながらコース料理をたいらげるかという戦いになる。

ところがこれも、なかなかどうして難しい。私の胃袋は鈍感野郎なので、ちょうどいいペースとか満腹感の見極めが苦手なのだ。

なおかつ出てきたものは衝動的にパクパク食べてしまう節操無しなものだから、まず間違いなく小皿パンの第一陣(小皿に最初に盛られる2つぐらい)は、開始早々、最初の料理が終わるぐらいに戦場から姿を消すのである。

で、次は第二陣の受け入れキャパ見極めになるわけだが、ここで「一つでいいです」と言うか「あ、じゃあ二つください」と言うかでその後の試合運びが変わってくるのだ。

第三陣が来たら間違いなく我が城はキャパオーバーなので、スタッフにいかに「補充したろ」と思われないかが勝負なわけだが、この第二陣パンの消費スピードが最大の難問。

だってさ、せっかくもらったんならそのパンも美味しく食べたいじゃん。

でも第三陣の襲来を防ぐ必要があるから、すぐ食べ尽くすわけにもいかないじゃん。

とはいえ、あんまりチマチマ食べてるとパンが冷めて固くなって美味しくなくなるじゃん。

だからコース料理本体の配膳スピードを見極めながら、美味しさキープできて第三陣と防げる絶妙なペースでパンをもぐもぐする必要があるわけ。

これね、むずい。なーかなか勝てない。いっつもどっちか中途半端な感じになっちゃう。

誰かこの悩み共感してくれる人いない?いないか…

P.S.
伏兵に注意。
油断してるとあいつら、「新しい味のパン」を出してくるぞ!目にしたら気になって頼んじゃうから気をつけろ!

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#14「ツマと、おつる: 産休前夜のサプライズゲストでオットそわそわ」2017/10/31

October 31, 2017 Yuhei Suzuki

そわそわ

そわそわ…

そわそわそわそわ…

ツマ「めっちゃそわそわしてるw」

オット「だってほら、おつるが来てる。我が家に。これは現実?」

ツマ「現実だよ」

オット「よ、ようこそ!」

おつる「苦笑」

*

10月最終日、明日からツマは産休に入って実家に帰るので、お家で一緒にごはんを食べようと、会社で締め作業を必死こいてやって(終わらなかった)から帰ったら、今日は来客ありとのこと。

ツマの会社のお友達、おつる(かわいい)が遊びに来てくれました。

3人でごはん食べました。

オットそわそわして完全に怪しい人。

おもむろにお茶を注ぐなど

ツマ「こいつ普段より気が利く」

あとはなんか、りんごは塩水に通すと保存がきくという、産休前のツマから豆知識インプットを受けたり、NASAが新しい星を発見したという宇宙ニュースで盛り上がったり(おつるは宇宙が好き)、三軒茶屋に住みたいという上京ガールを応援したりしてました。あとケーキを食べるなどしましたまる

(そわそわしてライティング力が小学生の夏の絵日記レベルに下がった) 

明日からツマ産休なので、オットがんばる。

#14 「ツマと、おつる: 産休前夜のサプライズゲストでオットそわそわ」2017/10/31

本日の夕げ

・チキンのハニーマスタード焼き

・野菜たっぷりスープ

・アボカドサラダ

・ごはん

(あとデザートにりんごのミルフィーユ)

上がオット作

右下がツマ作

左下がおつる作

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#13「ツマと、一周年: 八芳園は素敵な式場ですよ」2017/10/30

October 30, 2017 Guest User
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オット「はい、というわけで、1周年かんぱーい」

ツマ「やっぱねぇ、色々見てきたけど八芳園のスタッフさんたちすごいと思う」

オット「『TEAM FOR WEDDING 〜仕事はソロよりオーケストラ〜』だかんね」

ツマ「オーケストラもそうなんだけど、一人ひとりソロも上手いからねあの人たち。気配りがすごいんだ」

オット「ね。ちょっと働いてみたいかも」

ツマ「ホールはあなた、情報量多すぎて絶対対応できないと思う」

オット「せ、せやな」

*

そんなこんなで今日は白金台にある結婚式場「八芳園」が運営する「アニバーサリーガーデン」にて。結婚式からちょうど1年、無料ディナーご招待というアフターサービスを享受してきたわけ。

形式張ったウェディングが嫌で、色々持ち込み手作りオーダーメイドの無茶な相談をしたんだけどそれもぜーんぶ予算内で完璧に応えてくださって、披露宴当日も超楽しかったしスタッフさんのエスコートが神すぎたので、以来夫婦ともに八芳園ファンになっているのであります。

(とかいいながら1年ぶりに来たけど)

*

ツマ「いやー1年とかあっという間だね」

オット「来年もこのサービスあるのか知らんけど、1年後は赤子連れてきとるぞこれ。驚愕」

ツマ「そういえばなんかさ、一升餅とかお食い初めの鯛とか、日本の赤子向けの記念風習って、やたらとデカイもの出すよね。赤子、絶対食えないし」

オット「あれじゃない、人としての器を大きくするとか、獅子は千尋の谷に突き落とすとか、そういう系のこう、物量で圧倒する子育てスタイルちゃう。そういうの発達心理学的にどうですか奥さん」

ツマ「いやいや発達心理学的には全然ダメよそれ。かのヴィゴツキー大先生は"発達の最近接領域"って言うてまして」

オット「またなんか高度なやつ出てきた。こないだはコルトハーヘン先生だったのに今日また新しい人出てきた」

ツマ「要はあれよ、自分の身の丈よりちょっとだけ難しくって、助けがあればできるっていう経験がその子の出来ることを伸ばすっちゅーこっちゃ。タイなんか大きすぎますわ」

オット「なんで関西弁になってるか知らへんけど、私が最近地道なプレパパトレーニングを受けてるのとおんなじやね」

ツマ「そゆことそゆこと」

#13 「ツマと、一周年: 八芳園は素敵な式場ですよ」2017/10/30

今日はお絵かきお休みして写真をホイッとな。美味であった。

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アウフヘーベンよりシャウエッセン

October 30, 2017 Yuhei Suzuki
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そういえば今日は結婚記念日でして。いや正確に言うと「結婚式を挙げて一年経ったよの日」であって入籍の日はまた別だったりするものだから、どっちを記念日としたものか、いやいや二度祝えて嬉しいじゃないかというべきなのか、まぁそんな感じで、1年経ったようです。

少し太った気がするので最近は行き帰り一駅分歩いていたり、赤子を迎えるその日に向けてツマの身辺自立指導を受けていたりとそんな日々です。

変わったことと言えば…良くも悪くも、自分の楽しさや興味関心よりも義務感や責任感で動く比率の方が大きくなったなという感覚がある。

それは成長なのかはたまた停滞なのか。緑の人が言ってた、あうふへーべんなるものが必要なのかしらん。

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「育休取るの?」の質問に、YESで即答したいところだが、現実なかなか難しい

October 23, 2017 Yuhei Suzuki

夏頃にツマの妊娠も職場等々に公表され、その後日に日にツマの腹が大きくなるにつれ、オットである僕に対しての、ツマから、また周囲からの「育休取るの?」の質問頻度はじわりじわりと上がってくる。

「うーんそうだよねぇ、取れるなら取った方がいいよなぁやっぱり。うーん難しいだろうけど考えてみようかなぁ、取った人はみんな『取って良かった』って言うしなぁ」

こういう煮え切らない返答をしているのは決して「取りたくない」からではない。どっちかっていうとあれだ、「取れるなら取りたいし、取るべきだよなぁ」と思っているからこそ、現実と板挟みになって辛い、みたいなそういうやつです。

いや、僕も今のご時世、「男は仕事、女は家庭」みたいな旧時代的家父長主義が良いなんてさらさら思ってもいないし、「24時間働けますか」みたいなブラック社畜企業戦士になりたいとも思っていないし、どちらかというとリベラルっていうか、男の育児参加とかイクメンとかわざわざ取り上げるでもなく当然夫婦協力してやっていくべきだよねって思っていますけど。

けど、今の仕事の状況と出産のタイミングなどもろもろ具体的な現実として立ち上がった「自分の人生」をベースに考えてみると、これがなかなかどうして難しい。ですよ、ほんとに。

うちの場合、子どもは年末に生まれ予定なのだけど、年末年始はツマの実家にお世話になるので、その後2月ぐらいから夫婦でもともと住んでいる家にツマも赤子も戻ってきて3人で暮らす…みたいなスケジュール感でいる。

育休を取るとしたら、こっちに戻ってきた2-3月の間が一番いいよねぇ、という見通しなのだが、ちょっと今自分が担当している事業部の仕事の状況や自分の役割、年度末の繁忙見通しからすると、とてもじゃないけど自分が2-3月に抜けるのは厳しいなぁというのが正直なところ。

企業に務めていて、20代後半〜30代ぐらいの上にも下にも人がいる、みたいなミドルマネージャーのポジションって、なかなかこう、短期的には業務調整や引き継ぎが難しいところもある。

安定期に入る妊娠5ヶ月頃に公表して、そこから出産まで約半年。とにかく前から固い意思を持っていて、公表直後から半年後目指して会社にも宣言して全力で運用引き継ぎにコミットすればできなくもないだろうけど、僕みたいに、「決めかねている」ステータスの人にとって、いきなり決断して短期決戦で育休移行、というのは相当な綱渡りである。

できる・できないで言えば、「できる」なのは原理原則論としてはわかる。決めの問題というか、権利としては会社も妨げるはずがないので、残された人がざわめこうが負担かぶろうが知ったことがない、と強い意思で育休取れば、そりゃあ取れるにきまっている。

でも…優先順位や可能・不可能で割り切れないことって、ある。

「究極、そりゃ取ろうと強く決意すれば取れなくもないよな。周囲にしわ寄せはいくけど…」

「仕事も今すごく忙しいけどやりがいあるんだよな。でも育児をないがしろにしたいってわけでは決してないんだよ…」

「子どもがどんどん成長していく幼児期の時間は二度と戻ってこない、というのはわかる。でも、誰だって、自分だって同僚だって部下だって、二度と戻ってこない毎日を生きている…」

「いやいや、子どもにとって父親に代わりはいないんだ、仕事の時間やお金とかより優先したほうが良いよ、という意見もわかる。自分の決断次第だよな。いやでもその決断で職場にはどんな影響があってそれをどうマネージするのか…」

的な堂々巡りというか、ダブルバインドというか、とにかく毎日そんなことを考えている。

別に超政治意識高いわけでもなく、まぁでも時代の流れとしても世代感覚としても当然だよね…というぐらいにはリベラル的価値観を前提としてしまっているフツーの中道左派、的な働き盛りの男性って、多分僕以外にもそれなりの数がいて、べき論としても、自分の気持ちとしても、育児になるべく多くの時間を割くべき、割きたいと思っている。思っているからこそ苦しむ。

そういうジレンマは、あるんじゃないかな、と思う。

そうはいっても時計の針は進むし、一寸先は年末だ。

僕が意思決定をしようとしまいと、育休を取ろうと取るまいと、ツマはお腹を痛め、赤子は世に生まれいづるのだ。

今のところ、我が家のオプションとしては、①取るなら2-3月、②取らないなら取らないでいいけど早く帰ってくる、という感じで、現状8割方②で頑張るかな、という感じ。

最近は②に加えての追加オプションとして、「育休は生まれた直後じゃなくて、妻の職場復帰前後の2ヶ月で取るのも良いタイミングだよ」という助言ももらっている(なるほどなぁ)。

いずれにしたって、限られた時間、僕がどう逡巡するかというより、具体的にどのような動きを取ってツマと赤子を支えられるかということだけが重要なので、まぁそろそろ決めんとなぁ、と思っている。

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