建物を建てたことはないけど、基礎工事が大事だというのはサービスづくりやメディアづくりも同じで、基礎を怠ると後でガタガタになる。
とはいえ基礎工事は地道なもので、長い工程のうち一個一個のアウトプットに対してすぐに劇的なフィードバックが返ってくるわけではなく、一定の溜めの期間を経てだんだんと成果が跳ね返ってくる類のものだから、長期にわたってモチベーションを保ち続けるにはちょっとした工夫が必要だ。
それは、表に見えにくいアウトプットであってもしっかり価値を認識して賞賛する文化であったり、適切な期間で区切ってマイルストーンを置いたり、全体のアウトカムだけでなく、作業に従事する個々人の行動やスキルレベルでの成長に基づいたフィードバックサイクルを作ったり色々ある。
だけどやはり重要なのは基礎を組み固めた先に自分たちはどれほど高いところ、遠いところに行けるのかというビジョンを描くことであるし、また共有することだろう。
面白いのは、基礎工事をやっているなかでも個々人の習熟に応じて見える景色は変わってくるということだ。最初はおぼろげで、まだ霧がかかっているような風景だったのが、色々やっていくうちにだんだんくっきり見えてくる。その繰り返しでビジョンが鮮明になったり、あるいは微調整の後アップデートされたりする。
だから基礎工事の過程でも、ちょくちょく目線を上げて遠くを見るようにした方がいいし、なるべく定期的に個々人が見ている風景を持ち寄り語らう場を持った方がいいのだ。きっと。