けむりと演劇- 出会いを遊ぶ #01

「シーシャ屋さんにいくためにワンピースを買うというエピソードを聞いて、一緒にシーシャに行きたいと思ってました」と表れたのは、小柄な身からこぼれそうな大きく黒い目が印象的な文目ゆかりさん。

経堂はクレイドル(https://cradle-shisha.studio.site) という私が推しに推しているシーシャ屋さんで、はじめましての二人会。


▼コミュニティ内企画『出会いを遊ぶ』とは?

出会う、話す、同じ時間を共にする。せっかくなら、「出会い」の前後も2人で企てて遊んでみる。そんな企画です。

・毎月1回、誰か2人、場所や日にち、活動などを相談して一緒に過ごしてお話してみる
・その様子を、一枚写真+感想メモぐらいの短いブログ記事にして閒にアップする

ルールはシンプルに、閒の中の人たちが思い思いにお互いの出会いを遊びます。


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元々人と話すのが苦手で、他人に興味を持つという事を具体的にどうやったらいいのかずっと分からなかった。

今まできっと、人と時間を共有しても、自分の人生と交わっている目の前の時間にしか興味がなかったのだと思う。

その人がどういった経験をしてきて、それをどう考え、どう行動し、なぜ今目の前にいるのか、気になりだしたのはお恥ずかしながら本当にここ数年の最近の話だ。

SNS経由でご紹介頂いたあわいとどう繋がっていけるか迷っているところに、嬉しいことにしほさんの方からアプローチ頂き、お会いさせて頂いた。

しほさんはあわいのzoomミーティングの自己紹介での、シーシャに合わせたワンピースを着て行くという素敵な感性のお話が印象的で、ようやくあわい繋がりで何かできる事がとても嬉しい。

シーシャは知り合いの自宅で2回ほど体験はしていたが、お店に行くというのは初めて。そして、ちゃんとしほさんとお話しするのも初めて。仕事柄いろんな方とお会いする機会は多いが、あわいというコミュニティを介していたからか、今思えば友人に会いに行く感覚で現場に向かえた。お店は看板だけでは正直分かりづらくはあるが、入った瞬間に甘いかおりに包まれ、それだけで嬉しくなった。

聞くとしほさんは本当にたくさんのシーシャ屋さんをご存知で、週5通った時期もあったとか。都内でおすすめのお店も教えて頂いたが、今回ご紹介頂いたお店が数ある東京で一番美味しいとのこと。入り口も分からない私がいきなりディープなゾーンに踏み込めたのは、ご縁としか言いようがない。

好きなものを積極的に追求していく方は本当に魅力的。好きに理由はないんだと思う。好きは本能。しほさんは興味が広く、写真や文章もできちゃう。たぶん一回では開けきれない引き出しをお持ちの方だと思う。しほさんの話し方は無理がない心地よい明るさで、すぐに打ち解けテンポよく会話が進んだ。きっと人が好きなんだなと思った。

シーシャは素人の私でも美味しいことがよく分かった。時間が経つうちに味はより濃厚になっていき、シーシャのかおりと含まれる成分の効果ももちろん、普段気づくと浅く呼吸しているため、ずっと深呼吸している状態はまさにチルで、コーヒーでもお酒でも味わえないゾーンに入っていき、ゆっくりになっていく会話も心地良かった。誰かとお話しするときはシーシャのお店はぜひ活用していきたいし、とてもお勧めしたい。シーシャで打ち合わせとか、絶対最高。お世辞抜きにすっかり虜になってしまった。多分家に買う。その時はしほさんにお買い物手伝ってもらおう。

私は誰かと何かに夢中になることが好き。大人になった今、それが遊びでもあり仕事でもあって、それこそが共通言語となる。話せる言語の多さと語彙力が人生を豊かにする。今回あたらしい言語に触れて、またひとつ扉が開いた。生きているうちにどれだけの扉を見つけられるか。これからが楽しみで仕方ない。(文目ゆかり)

・・・

感想を言葉にして伝えるのが苦手だ。
「この映画観た?どうだった?」「何がおもしろかった?」「どこが好き?」

そう言われても、自分の中にあるもの、感じたものは、そんなに簡単に言葉にできるものでもないし、慌てて話すと純度がぐんと下がってしまうから、あまり、こういう類の質問をされることには慣れていないし、あまり好きになれない。

けれど、シーシャのある空間にいると、ゆったりと全てが受け入れられたような気がして、少しくらいうまく伝えられなくても、互いの話を、違う経験を、違う目で見たものを、少しずつ、シャボン玉が弾け合うように、時に混じり合ってしまうように、言葉や温度を交わしてしまう。

ここで時を共にした人とは、ゆっくりと時間をかけて、ずっと大切な人になるという勝手なジンクスがあるくらいだ。

まずは、ゆかりさんから、「シーシャって何時間くらいできるの?吸ってるときは何したらいいの?」と質問。

シーシャを吸っている時は、確かに何をすればよかったんだろう。生産と消費に追われる毎日の間に落ちた、ただ、呼吸をするだけの2時間。はじめましての人とただ呼吸をする会を催しているのは、かなり滑稽だと思う。

ゆかりさんは、初めてお会いしたのに、ネイティブな感覚を持って生きている、心地よい人だなと思いながら、ゆらりとシーシャを燻らせる。間がつながる感覚を得られるシーシャは、コーヒーやお酒を飲みにいくよりも、緊張感が和らぐ。本日のフレーバーは、ドバイ緑茶。店長のひささんオリジナルブレンドで、グリーンアップルっぽさのある、生の緑茶の甘さを生かした濃厚な風味。

お互いの自己紹介をするより前に、シーシャをきっかけに、お酒、古着、写真、香水、そんな話をしばらくしたあとに、「そういえば、なんで閒にいるんですか?」「お仕事は?」みたいな話をした。その頃には、もはや、表面的なプロフィールはどうでもよくなっていた。

ゆかりさんの出演する「泊まれる演劇」に招待してもらい、早速、後日講演を観にいくことが決まった。

あっという間に2時間が経って、名残惜しくも、「また会いたいです」と残り香を纏いながら、空中階にあるシーシャ屋さんをあとにした。(東詩歩)

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|| プロフィール ||

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文目ゆかり(あやめゆかり)
調理師を経てモデル、俳優として活動中。うさぎととかげを飼っている。服が好き。最近のマイブームはアジフライ。(Instagram Twitter youtubenote

 
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東詩歩(あずましほ)
観光学を専攻する大学生をしながら、WEBメディアの運営や執筆業、写真撮影を手掛けるgin’enを運営。積読をしすぎる。だいたいシーシャ屋にいる。(InstagramTwitternote

閒の日々 長月号


株式会社閒(代表取締役: 鈴木悠平)が行う事業報告や会社づくりのプロセス、閒に集う人たちの語り・営みをご紹介する、「閒の日々 長月号」をお届けします−−。

▼地域通貨とコミュニティの可能性をテーマに月例会を開催しました。

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9月の月例会では「地域通貨とコミュニティ」と題して、①こういう時にコミュニティ通貨があると便利 ②コミュニティ通貨があったら閒でやってみたいこと をワークショップ形式で話し合いました。

思いのほか、各方面から多様な意見が交わされ、早速、閒の中でも少しずつ実装に向けて動き始められそうです。

いくつか出てきたアイデアをご紹介します。

■コミュニティ内メルカリ的に使う

見ず知らずの人に売るのは思い入れがあって悲しいけれど、知っている人や価値観が合いそうな人になら譲りたい。そんなモノがあるときに、コミュニティ通貨を介して受け渡しができると嬉しいな、というアイデアです。

■何か実験的な企画をする時のメンバー募集に使う 

通貨を介すと、なんとなく頼みごとがしやすくなる。実際の貨幣にもそんな側面がありますが、リアルなお金を払う前提で予算を立てるには難しい…というような実験的な企画では、コミュニティ通貨の方が便利かもしれません。

■気持ちや関わりの可視化ツールとして使う

お金をもらうつもりではないし、むしろボランティアでいいんだけど、というようなお仕事をしたときにも、頼んだ側の感謝の気持ちを表す意味でコミュニティ通貨が渡されると、ちょっと嬉しい気持ちになるかも、という意見も出ました。

この他にも、たくさんの意見が出て、どれも実現できたら楽しそうだなというアイディアばかりでした。

まだまだ、実験段階ではありますが、閒のコミュニティの中で企画や交流をする際に、少しずつ導入していければと思っています。

▼閒のコミュニティ内でのイベントとして、すでにこんな企画が形になっています。

◉9月6日(日) よむ、きく、あじわう 絵本のせかい #1『ぐるんぱの幼稚園』

ぐるんぱの幼稚園

大人になってから絵本を読むって面白いよねという声かけのもと発足したプロジェクト。輪読会のような形でオンライン上で開催されました。皆さんの最初の一冊を共有して、会は始まりました。


大人になったからこそ気付く、絵のタッチの凄さ、ぐるんぱが二足歩行しているのはすごい、ぐるんぱの繊細な心情など、気づきがたくさんありました。


◉9月20日(日) 映画「プリズン・サークル」を語る会

日本の刑務所の中にカメラを入れて、受刑者たちによる自助グループ的な取り組みの様子を追ったドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」。


閒のコミュニティメンバーからも「観たよ!」「観に行く!」「語りたい!」という声がたくさん挙がったので、有志で集まって感想を語り合う会を開くことになりました。


参加者からの感想を一部共有します。

「自分の被害経験というか、辛い・しんどい過去を振り返って外に出すって、すごくつらい作業だなって、今更ながら思います。」

「違法薬物を使う人と使わない人の差は、逆境の数と孤立感の強さと言われています。それだけの差で、誰でもそうなり得るんですよね。」

「犯罪をする人とそうでない人はどう違うかと問われれば、きっと何も違わないと答える。」


毎月、このような形で小さくではありますが、閒ならではのプロジェクトが始まっています。参加してみたい、閒が気になるという方は、コンタクトフォームからお問い合わせください。



▼お知らせ

閒の主宰、鈴木悠平が企画・登壇・出展するイベントの予定です。ぜひお気軽に覗いてみてください。

◉2020/10/10 14:00-15:30 Zoom開催 「ヨシダ、ハカセになったってよ」https://www.facebook.com/events/419287259035090

◉2020/10/16-2021/03/07 「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」に、清水淳子さんとのユニットで参加作家として出展します。

http://www.2121designsight.jp/reservation.htmll

◉2020/10/24 Intermediator Forum 2020 13:00-

「 相互にエンパワーしあうデジタル・メディア環境 — ‘とどけるプロジェクト’を事例として — 」

https://www.worldmaking.jp/events/intermediator-forum-2020

◉毎週月曜20:00-20:45 「とどけるラジオ」 配信中

https://www.youtube.com/watch?v=mLLpjrn_MxA&feature=youtu.be