Day1 山小屋で

年越しは2年ぶりに長野の白馬村の山小屋にて。ツマの実家家族を含む、ツマの出身高校のOBOGたちが長年に渡って山小屋を運営しており、年末はそこに老若男女ちびっ子みんな集まってスキーをしたり宴会をしたり新年を祝ったりするのが恒例行事となっている(一昨年のことは以下の記事に)。

昨年末はムスメが生まれたので我が家はお休み。季節は巡り、ムスメは1歳の誕生日を迎え、大病もなくスクスクと育ったので今年は子連れでの参加。ツマは小屋番として早めに仕事を収めて一足先に長野入り、僕はその間27日からムスメと留守番をして、30日の昼に合流。

我ながら完璧だと思いながら荷物をまとめて向かったのだが、着いてみたら認識の齟齬があって3つ4つ指示されたものがカバンに入っておらず、ツマに2,3度呆れられたり怒られたりするなどした。

大晦日から元旦にかけてムスメの熱が急激に上がり、新年の朝に山の診療所で見てもらうことに。幸いにしてインフルエンザではなく、ただの風邪でしょうということで、今日は終日、ムスメと添い寝しては、起きたときに水分補給やら食事やらをさせるというのを繰り返しつつ、合間合間に本を読んだり文章を書くなどして過ごした。

みんなに混じって酒を飲みつつも、グイグイ話に入っていくわけでもなく、角っこの席でゆらゆらと過ごしながら、時たま席を外れてムスメと添い寝したり、ちょくちょくスマホやPCを開いてこういう書き物だの読み物だのしたり、寝転がって本を読んだり、ほどよく混ぜてもらいつつも、ほどよく好き勝手させてもらえる空間で、気楽にのんびりと過ごした。

トレンドとスタイルと世代と時代とつまりそういった先行者利益が大きい領域で日々たくさんのコンテンツと言説が生まれては流れていくけれど、そうしたものは横目で見て認識しつつも、仮にそういう小波さざ波がなくたって自分は今日も続けるだろうという営為を、見失わずに続けていかなきゃならない。




今年から毎日手帳に「まる」を描くことにした。

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やはり今年は、昨年の体調不良など色々と思うところあり、だいぶ意識的に暮らし方働き方を変えていかねばなという思いは強く、山小屋でのんびりしつつも、来し方行く末のことを考えるなどした。

「弱った自分」に、はなまるをあげること

弱っている。

日頃の様子を身近で見ていたり、Twitter見ていたりする人からすると「もう知ってるよ」という話でもあるし、隠すことでもないと思っているので書くが、まぁ弱っている。今の会社で働き始めて5年目になるけどその中で一番かもしれない弱りっぷり。およよ。

しかしこれはこれで、自分にとってちょうどいいタイミングで、必要な変化の時期なのだろうな、と思う。思う一方で焦る気持ちもまだゼロではないのだけど、そう捉えて言い聞かせることを続けることも含めて、必要な時間だな、と思う。

「あー、これはヤバイな」と思ったタイミングで通院をしたり、周囲のしかるべき人に相談できたことは不幸中の幸いである。やはり知識は人を救う。

適応障害と抑うつ状態、という診断を受けて、寝る前に処方された抗うつ薬を飲むという生活ルーチンが加わった(2回ほど早くも飲み忘れたけど。さっき再診して先生に「コラッ」って言われた)。

自分から症状についてはすぐに上長にも伝えたんだけど、幸いなことにとても理解のあるサポーティブな職場だから、これを機会にちょっと荷物を降ろしてどうフォーカスしていくかという相談に乗ってもらえていて、それでとても楽になった。

僕はいわゆる中間管理職という立ち位置にいるのだけど、チームメンバーの中にはまぁTwitterで僕のつぶやきを先に見ていた人もいたし、自分からも今こういう状況で元気ないっすというのを定例MTGで言ったりもしたのだけど、まぁほんとにありがたいことに日々の定常業務に関しては何も問題ないっていうか、なんなら僕の特性やキャパを踏まえて絶妙に巻き取ってくれたりするので、うわー僕弱ってるけど全然大丈夫やんすげーってな感じの頼もしさで、はい、救われています。

こういうのは、「順番」なのだと思ったよ。

マネージャーだから、とか、若いから、とかではなく、今たまたま僕にそういう「順番」が回ってきた。それを、今たまたま余裕のあるみんなに、支えてもらっている。

だからまた別の人に「順番」が回ってきたときには、今度は僕が、とも思う(今はそんなこと考えなくていいってみんな言ってくれると思うけど)。

妊娠・出産・子育てが大変だという時期もある、心の病気になってエネルギーが落ち込んでしまうということもある、交通事故で手足が不自由になることもある、恋に破れて涙が止まらないってこともある、うっかり季節の変わり目に夏風邪こじらせちゃうこともある、若さと過剰さをこじさせてもやもやモラトリアム袋小路に至ることもある。

その時にたまたま、相対的に弱っている人がいて、相対的に余裕のある人がいて、その中で一緒に長くどう働いていこうか、お互い様でどう乗り越えていこうかって話。

順番交代なのである。




さっき、症状が出てから二度目の通院をしてきて(夜遅くまでやってるのよ)、先生には「そうやって自己分析をして早めに対処できてるのがすごい。もっとひどくなるまで来れない人、休みたくても休めない人もいるから」って言ってもらえた。

「服薬始めたし、業務調整もしているし、大丈夫かなって思ったけど、昨晩はなぜかポロポロ涙が出ちゃって。あー、これはもうちょっと長期戦なんだなぁって、改めて自覚しましたよ」って言ったら、「そうだよ、負荷を減らした状態で3ヶ月ぐらいかけて休んでいって、6ヶ月後ぐらいにまた最高のパフォーマンスが出る、それぐらいの時間軸で考えるぐらいだよ」って教わって、それでまた、自分の中に適切な時間の物差しができたって感じ。




今日、会社に行く前に、ツマに以下のようなメッセを送ったのだけど、

「やっぱり抑うつがあるし、エネルギーの総量も落ちているから、やることも絞って、焦らず無理せず、まずはなによりも自分の心と体を守ることをちゃんと自分の責任としてやっていこうと思います。どうしても「登っていく」プレッシャーに追い立てられるようになるけど、この歩き方が十分立派なスピードなのだと自分に言ってあげたいと思います。」

返ってきたひとことが

「はなまる!」

って。

ああ、これはほんとにそうだね、そのとおりだなって。思った。

現状これが自分の「総量」で、今のスピードが十分立派ではなまるなのだと、自分で自分に言ってあげようと思うよ。

そして他の誰かが、僕と同じように弱ったときに、それでいいよ、はなまる!って言ってあげるんだ。

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はなまる。