プロフィール
東京科学大学未来社会創成研究院 DLab+ 研究員
1996年生まれ。東京大学文学部卒、同大大学院人文社会系研究科修士課程修了。
著作には次のものがある。
愼允翼「<わかり合えなさの壁>の向こう」、小学館『GOAT meets 01』 特集「北へ南へ」収録
愼允翼「第8章 なぜロマンチックは大事なのか―私の記憶をめぐって」任龍在編『肢体不自由者の自立と社会参加』、博英社、2024年、183-216頁。
鈴木悠平・愼允翼『介助とヒーロー: 『ラストマンー全盲の捜査官』を2人で観る』、閒、2024年。
現在、小学館のWebメディア「読書百景」にて連載中。その他メディア掲載多数。
最新情報
D Lab+科学×アート=オルタナティブな未来「火星における人類社会プロジェクト」に参画しています。同プロジェクト内で担当した文献レビューをWebに公開しています。
05【レファレンス】宇宙とアイデンティティ
08【レファレンス】宇宙と神話小学館『GOAT meets 01』 の特集「北へ南へ」にて、エッセイ「<わかり合えなさの壁>の向こう」を執筆しました(2025年、145-149頁)。また、同エッセイのオーディオブック版もAudibleにて配信中です。
小学館『読書百景』noteにて、エッセイ連載 「ロマンチック障害私論」を開始しました。最新記事はこちら。
愼允翼「障害を“失敗”にするために〈前編〉」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#4
愼允翼「障害を“失敗”にするために 〈後編〉」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#5東京科学大学未来社会創成研究院(IFs)にて、ポッドキャスト「DLab+放送局」の配信を開始しました。最新回はこちら。「未来社会創成研究院 DLab+放送局 Vol.003」
わたしと、わたしをかたちづくる言葉たち
子どものときから、空とか木漏れ日とか揺れながら変わらない美しさを備えた世界に強く心惹かれる気質でした。その興味は、生と死についての関心から生まれてくるものです。ということは障害という、生まれながら肉体に刻まれた教えに端を発するものかもしれません。三国志の英雄について新たに知れば、必ず「その人なんで死んだの?」と聞く4歳児…。
起源に響き続ける言葉は、「未来は変えられなくたって、自分たちの明日ぐらい変えようぜ!」(1)という憧れのヒーロー・タイムレッドの言葉。「文句を言う自由はあるでしょう。だが絶望する自由はない。まだ何もしていないからです。絶望とは何か。力の限り走り続けて、もう精も根も尽きた。それでも壁は高くてビクともしない。その時初めて絶望する資格が得られる。私たちにはまだ壁にぶつかって砕けるだけの力は残っています!」(2)と大王世宗は教えてくれたけれど、どうやら絶望は希望より手の届かないものにされているらしく、ちょっと不満だった幼年期。「奇跡の扉を開ける鍵は誰の手にも握られている。ただ、それに気づく人はほんの僅かしかいない。運命を変えるほどの大きな奇跡はそうそう訪れない。変えたいと思う小さな一歩を積み重ねる事でいつの日か奇跡の扉は開く」(3)と、自由は、恋心は、「扉」を通して歴史や運命の渦の中に弱々しくも確かに存在していると知った少年期。「受け継がれる意志、時代のうねり、人の夢。それらは止める事が出来ないものだ。人々が自由の答えを求める限り、それらは決して留まる事は無い!」(4)から、もっと自らを鍛え上げなければならないと直観した思春期。考えてみたら、いまでも相変わらずヒーローの背中を追いかけているみたい。
こういう原風景のもとに、いまはジャン=ジャック・ルソーの思想を研究しています。
幸福に、賢明に生きようと思えば、君の心を、滅びることのない美しいものだけに結びつけるがよい。君の境涯が君の欲望を制限するように、君の義務が、君の好みに先行するようにもってゆくのだ。必然の掟を道徳的なものにまで及ぼすがよい。君から取りあげられるようなものを失うことを学ぶがよい。美徳がそれを命ずるときにすべてを棄てること、偶然の出来事に超然としていること、そういうことから心をひき離して、心を引き裂かれないようにすること、けっしてみじめにならないように、逆境にあっても勇気を失わないでいること、けっして罪におちないように義務を固く守ること、そういうことを学ぶがよい。そうすれば、君は、運命がどうあろうとも幸福になり、情念を感じていても賢明になれるだろう。
ジャン=ジャック・ルソー『エミール、または教育について』(フランス語: Émile, ou De l'éducation)より
いかなる境涯でも、身体でも、生まれた場所でも、生きようとする意志や勇気を失わない限り、その途は自由を通して、歴史の中に流れていく。そう思わせてくれるテクストです。
(1)東映特撮『未来戦隊タイムレンジャー』より
(2)韓国時代劇『大王世宗』より
(3)フジテレビ『プロポーズ大作戦』より
(4)尾田栄一郎『ONE PIECE』より
代表作
「困難」よりも、はるかに広いイマジネーションを。歴史創造的存在としての障害者 ( 閒-あわい-, 2022/01/14)
紹介文
文字通り堂々たる「動かなさ」で、寒い日も暑い日も、風邪でも二日酔いでも毎日コンスタントにテキストを読み、そして書き続ける彼の周りを、僕はちょこまかドタバタと無駄にせわしなく(しばしばソファにぶつかりながら)動いています。週に1度、ゆにくんの家で生活を共にし、介助をしながら色んなことを語り、お互いを通して色んな作品や人と出会い、一緒に泣いたり笑ったりする、その日々のまるごとが、僕に生きる勇気を与えてくれています。
(鈴木悠平)
関連記事:生に隣る
DLab+ 科学×アート=オルタナティブな未来
東京科学大学未来社会創成研究院 DLab+の研究員として活動しています。「科学×アート=オルタナティブな未来」は未来社会創成研究院(IFs)の研究成果にアートの想像力をかけあわせて、オルタナティブな未来像を作製するプロジェクトです。こんな未来はあり?なし?未来をめぐる開かれた議論を醸成するための素材を提示・発信します。IFsでは、完成までのプロセスも、イベント「DLab+編集室」として公開。編集室に入れ替わり立ち替わりやってくる多様な研究者たちの介入によって、作品が、少しずつ育ち、変化していく様子にもご注目ください。
担当記事:
05【レファレンス】宇宙とアイデンティティ
08【レファレンス】宇宙と神話
小学館 雑誌『GOAT meets』
小学館の雑誌『GOAT meets 01』 の特集「北へ南へ」にて、エッセイ「<わかり合えなさの壁>の向こう」を執筆しました(2025年、145-149頁)。
また、同エッセイのオーディオブック版もAudibleにて配信中です。
小学館『読書百景』連載 「ロマンチック障害私論」
先天性の難病を抱えるフランス思想の研究者が、ことばと体と、そして障害をひらくエッセイ連載です。
「いつか酔いしれるあなたへ」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか #1
「三国志の話」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#2
「安らぎの声色」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#3
愼允翼「障害を“失敗”にするために〈前編〉」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#4
愼允翼「障害を“失敗”にするために 〈後編〉」なにもそこまでして酒を飲まなくてよいのではないか#5
対談企画「介助とヒーロー」
TBSテレビの日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』を観て、僕の介助者の一人であり、この閒(あわい)をホストする友人の鈴木悠平(すずき ゆうへい)さんと対談したものです。
Web連載を書籍化し、Amazonで販売しています。
書籍
インタビュー収録:伊藤亜紗 著『体の居場所をつくる』(2026/02/21、朝日出版社)第四章「帝国主義者のまなざし」(90-117頁)
共著:鈴木 悠平, 愼 允翼『介助とヒーロー: 『ラストマンー全盲の捜査官』を2人で観る』2024年、閒
分担執筆:任 龍在 編著『肢体不自由者の自立と社会参加』、2024年、博英社 に分担執筆者として参加、第8章「なぜロマンチックは大事なのか―私の記憶をめぐって」を執筆
往復書簡:雑誌 “NEUTRAL COLORS” ( 3 号・2022) 「16通の往復書簡」/ 愼允翼・西村亮哉
事例掲載:学びに凸凹のある子が輝くデジタル時代の教育支援ガイド - 子ども・保護者・教師からの 100 の提言 ( 朝日新聞・2021)
映像作品
出演:Shin’s story: Using technology to break down the barriers of disability in Japan (Microsoft 2018)
ある学生の視点 車いすから見上げた世界 ( 東京大学情報学環メディアスタジオ実習制作・2017)
執筆記事
08【レファレンス】宇宙と神話(東京科学大学 D Lab+ 科学×アート=オルタナティブな未来「火星における人類社会プロジェクト」 2026)
05【レファレンス】宇宙とアイデンティティ(東京科学大学 D Lab+ 科学×アート=オルタナティブな未来「火星における人類社会プロジェクト」 2026)
「回復を共に考える」ことはなぜ苦しいのか(第3回刑務所アート展 クラウドファンディングへの応援コメント 2025/05/23)
本当は何が欲望されているのか?「障害者手帳と割引」を再考する ( 閒-あわい- , 2023/03/23)
ギャグマンガを讃えて - 「書く」とき・ところ・道具とわたし #3 ( 閒-あわい- , 2022/04/13)
「笑うこと」について ( 閒-あわい- , 2022/01/30)
私が眠ったことのある場所 ( 閒-あわい- , 2021/12/16)
「障害」は動かない – 天畠大輔『しゃべれない生き方とは何か』の批判的検討(障害学会第19回大会自由報告, 鈴木悠平との共著)
「疎」を恐れず生きる 繋がりすぎない介助を求めて (中日新聞・2021)
相模原事件裁判死刑判決を障害当事者はどう見たか?「守られる」障害者像からの脱出を目指して ( ハーバー・ビジネスオンライン・2020)
DO-IT Japan レポート (2013) / p22 に掲載
インタビュー記事
「愼允翼さんとの対話-当事者個人が、自分の夢を信じていま頑張ることが社会を変える」(障害保健福祉研究情報システム(DINF)、月刊『新ノーマライゼーション』2025年6月号、聞き手:加藤千穂)
「ルソーに憧れて」動かない体で夢を追う“寝たきり”の東大生・愼允翼さん(女性自身2024年12月3日号「シリーズ人間」、2024/11/24、取材・文:本荘そのこ/写真:水野竜也、高野広美)
愼允翼さん「本は”孤独”に読みたいけれど」ルポ 読書百景 #4前編(読書百景、2024/07/29、稲泉連)
重度身体障害の東大生、自分の姿で伝える「諦めず扉ノックし続けて」(朝日新聞アピタル、「翼をみつけて~難病を抱えた東大生と家族の27年間」連載第4回、2024/4/15、福岡龍一郎)
不合格続きにも「きっと道は開く」 認められた配慮、受験で得た勇気(朝日新聞アピタル、「翼をみつけて~難病を抱えた東大生と家族の27年間」連載第3回、2024/4/14、福岡龍一郎)
「前例がない」にくじけなかった両親 「ドラゴン桜」に姿重ねた息子(朝日新聞アピタル、「翼をみつけて~難病を抱えた東大生と家族の27年間」連載第2回、2024/4/13、福岡龍一郎)
「この子の体、何かがあるよ」 ペンを持てない子が東大に受かるまで(朝日新聞アピタル、「翼をみつけて~難病を抱えた東大生と家族の27年間」連載第1回、2024/4/12、福岡龍一郎)
帝国主義者のまなざし(あさひてらす、「一番身近な物体」、2024/1/6、伊藤亜紗)
3歳で乗った車いす、断られた受験 経験から思う多様性への理解とは(朝日新聞デジタル、2023/12/15、鳥尾祐太)
愼允翼(シンユニ)さん(asaito、2023/11/28、伊藤亜紗)
テクノロジーとともに拓く未来/ITで超えたのは、「学び」のバリア ––脊髄性筋萎縮症の東大生、愼さんの場合(AFP BB News、2018/5/18、提供:マイクロソフト)
障害者は生き苦しい、東大生だって生き苦しい(東大新聞オンライン、2017/4/20、福岡龍一郎、竹田椋太)
重い障害でも学ぶ機会平等 19歳東大に合格「挑戦で結果変わる」(日本経済新聞、2016/3/28)
テレビ番組・ラジオ番組・イベント出演、企業研修、大学講義登壇など
「私の未来ー医療的ケア児者が語る人生の夢と希望」 (第1回日本小児在宅医学会学術集会、公開講座(当事者参加型)、座長:前田 浩利(医療法人財団はるたか会)、龍治 玲奈、2025/09/14)
「障害の語り方を考える―第四の壁を突き破れ!」(DO-IT Japan 2025 コンカレントセミナー 2025/08/06)
「生きることの謎、謎を生きること~他者を理解するひとのために~」(東大教育学部 教育臨床学概説 講義 2025/07/10)
「生きることの謎、謎を生きること~理解者・伴走者であるひとのために~」(社会福祉法人福祉楽団 新入社員研修、2025/07/08)
東京理科大学特別講義「現代医療論」、トークセッション「サイボーグの現実とイマジネーション」 担当教員:愼蒼健、登壇者:池澤春菜、愼允翼、文字起こし:石原威(東京理科大学、2023/12/7)

TBSテレビの日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』を観て、「介助とヒーロー」というテーマのもと、脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅱ型による重度身体機能障害のある愼 允翼(しん ゆに)と、重度訪問介護制度による愼の介助者の一人鈴木 悠平(すずき ゆうへい)が対談する。
・記憶に残る、家族の「味」と「香り」
・「2人の兄」が弟にかけた言葉
・痛みも後悔も「あなたと共有する」ということ