13 休耕期の道草編:畑にかんする積読本について

 畑をやることにして1年が経った。その間、もっと畑や土について学びたいと思いつつ、なかなかその時間が確保できていない。自宅には、読みたい本が積まれている。今回はそのうち3冊を紹介して、読む意思を強くしたい。

Ch.ダーウィン『ミミズと土』平凡社、1994

 昨年春に読んだ、森田真生のエッセイ『僕たちはどう生きるか』に出てきて知った。筆者である森田は、コロナ禍で息子と共に庭の一角で土をいじり始める。息子がミミズに関心を持ち始めたので、この『ミミズと土』を読む、という文脈でこの本は登場する。調べると、生態学の古典的名著とされ、多くの人が名前を知っているダーウィンの最後の著作であるらしい。

 わたしが保育園児だった頃は、ミミズで遊んだりもした。イモリの餌として与えていたこともある。大人になってミミズとは少し距離ができてしまったけれど、今のわたしの畑にもミミズはたくさんいる。太くて大きいミミズから細くて長いミミズまでさまざまだ。ちょっと気持ち悪いけれど、けっこうわたしの生活に身近な存在であり続けてきたミミズと土の関係について深く知りたい。この本はその欲求に真正面から答えてくれそうで、読むのが楽しみだ。

D・モンゴメリー『土・牛・微生物』築地書館、2018

 これも森田真生の同著をきっかけに知った。前に「土に呼ばれて」でも引用したけれど、森田が以下のように紹介していた。

“農業は実際、環境負荷の極めて大きな営みなのだ。その三大要因は、耕起(耕すこと)、施肥(肥料を与えること)、そして農薬(の散布)である。耕すことで土壌は劣化し、土中に蓄えられていた炭素は空中に放出されて地球温暖化を加速させていく。産業革命から20世紀の終わりまでに大気に加えられた炭素の4分の1から3分の1は、土を耕すことによって生み出されたものだという。土壌が吸収しきれない肥料は地下水を汚染し、やがて海へ流れ、海洋生態系を攪乱していく。”

 土を耕すことは環境負荷が高いことであるなんて、初めて知った。衝撃だった。理由やどうしたらいいのかをもっと知りたいと思った。それからこの本がうちに積まれたままである。けっこう分厚いんですよ、これがまた……。でもきっとおもしろいに違いない。読みたい。

ゲイブ・ブラウン『土を育てる:自然をよみがえらせる土壌革命』、NHK出版、2022

 先日公共施設で『リジェネラティブ・ファッション 人と環境に優しい服作り』という本を読んでいて、「リジェネラティブ農業(環境再生型農業)」という言葉に出会った。この手法にはいくつか具体例があるのだけれど、そのうちの一つが先ほども書いた「土を耕さないこと」らしい。

 『土を育てる』の著者はリジェネラティブ農業をアメリカで実践する第一人者であるらしい。この本は彼が書いたノンフィクションだ。紹介の最後に持ってきたけれど、これを最初に読んだ方が良さそうな予感がする。朝の読書タイムに畑にかんする本の読書時間を入れていこうと思う。

さいごに

 わたしは自然が好きだ。子どもの頃、自然のなかでたくさん遊んで育ててもらった。だから少しでも自然に負荷をかけない畑のやり方を模索したい。そのために学びたい。亀の歩みでも、少しずつ確実に進んでいこうと思う。