東京旅行記1日目

5月1日から2泊3日で、夫と東京旅行に行ってきた。パニック障害持ちの今までの私だったら考えられないことで、道中何度か発作は出たけれど、なんとか乗り切った。

1日目はまず新幹線で夫婦ともに酔い、へとへとになりながら四ツ谷にある私の母校に行った。

「ここでよくお祈りしててん」と言ってザビエル聖堂という小さな聖堂に案内し、その隣のイグナチオ教会にも夫を連れて行った。夫はイグナチオ教会の建築、特にステンドグラスの綺麗さに目を奪われたようで、「すごいね」と言っていた。

その後哲学科の棟まで行き、会いたい先生が3人いたのだが、2人は外出中で、卒論担当だった長町先生に唯一会えた。ノックもしていないのに、私と夫が長町先生の研究室の前に立つと「はぁい」と先生の声が聞こえ、先生が出てこられた。10年ぶりくらいにお会いしたはずなのだが、すぐ私だとわかってくださった。夫婦で東京旅行に来ている旨を伝えると、歓迎してくださり、何かあったら、と名刺も頂いた。

その後はソフィアタワーというおそらく大学100周年で集めに集めた寄付金で建てたのであろう(違ったらすみません)やたらと金がかかった設備がある新しいビルに夫を誘い、在学生なら見向きもしないであろう展示をさっと見てまわった。

大学詣ではこれくらいで、その後10年来の私の友人と星野珈琲店でお茶をすることになった(本当はロンという純喫茶でお茶をする予定だったのだが、夫も私も煙草の匂いがダメになってしまい、分煙でないその店は断念したのであった)。私が初めて入院したときにできた年下の友人で、いつも誠実で丁寧で気遣いができる青年だ。夫を紹介し、友人を夫に紹介し、私は若干空回りをしながら場を繋ぎ、それでも楽しく時間を過ごすことができた。東京に着いた時間が夕方に近い時間だったので、あまり長話はできなかったが、久しぶりに会った彼は何一つ変わっていなかった。当日その後LINEで「帰りラッシュに巻き込まれてるようで疲れたかと思います、その後の予定に影響ないか気がかりです」等の心配と労いの文章を丁寧に送ってくれるあたりが、本当に彼らしいなと思った。

四ツ谷からホテルまでの道のりが果てしなく遠く、というのも京王・小田急永山という僻地にホテルを取ったからなのだ。何故そんな僻地にホテルを予約したかと言えば、10年ほどそこに住んでいたからで、馴染みがあり、懐かしさもあったからだ。しかしそのホテルまでたどり着くためには急こう配の坂(階段)を登って行かねばならず、普段ただでさえ運動不足の私はホテルに着くころにはゼエゼエと息が上がり、こんな山奥にホテルをとったことを後悔した。しかもそのホテルの空調が全館管理でうっすら肌寒く、アメニティも大変しょぼく、ベッドもセミダブルなのだがなんとなく狭く、掛け布団もせんべい布団なのか?と思わせる薄さで、ホスピタリティというもののかけらも感じられなかったのが非常に残念だった。なにより、「スマイルホテル」という名前だったのに、ホテルマンが誰一人として笑っていなかった。ご自由にお持ちくださいと書かれた大量の歯ブラシについている歯磨き粉からは変な味がした。そんなこんなで、1日目はほとんど眠れなかった。だが、無事に一日目を終えることができた。2日目以降はこれまた色々なことがあったので、また別の機会に書くかもしれない。ひとまず乗り切った1日目であった。