労働者のメシ - 2022/05/25 Wed.

家を出てからなんやかんやあって帰宅し、ムスメは今日は園をお休みするということになり、近所の公園で少しだけ気分転換の散歩を一緒にしてから、水曜日は重度訪問介護のシフトので出なければならぬので、在宅ワークのツマに後を頼んで電車に乗った。

いつものように東大前まで行って、10時からシフトに入り、書き物を手伝ったり、近況をよもやま話したり、食事をしたり、動画を見たりした。「ゆうへいさんがシフトの日は書き物が捗るわー」と言ってもらい、確かにこの日も一仕事一気に終わらせることができ、素直に嬉しい。ヘルパーの側も利用者と同様当然個々人に得意不得意等々があり、お仕事として最低限のラインは当然満たす必要はあるとして、料理が上手な人もいれば、書き物が得意な人もいるわけで、言われるままの手足でもなく、先回りしすぎるでもなく、何か物事を一体となりながら進めていくユニットを形成する2名のダイナミズムがあるよなという話をして、そこからまたいつものごとく、二人して色々と思考も話題も展開するものだから、他にもあれこれなんやかんやと話したのだった。

欠損を埋めよう埋めよう、足りないからもっともっとと外に求めて膨張していく生き方を選ぶ人もいるのだが、それはなかなかしんどいよなぁ。終わりがないし、やがてどん詰まりにたどり着く。

15時に次のヘルパーさんと交代して外に出て、東大前から本郷三丁目まで運動がてら歩いていき、「俺の胃は何を求めているんだ」と「孤独のグルメ」の井之頭五郎のような状態で昼食をどこで食べるか思案していたのだが、結局決めきれずに本郷三丁目駅前の交差点まで来てしまい、そこにある日高屋に入った。半チャーハンと餃子と生中。労働者のメシ、という感じで良い。店員さんが勢いよくビールジョッキを机に置いて泡がけっこう溢れ、そのまま無反応で立ち去っていったが、わたし別に文句言わない。ティッシュで拭きました。

帰りの電車で本を開いたが、仕事終わりの疲労かすぐに猛烈な眠気に襲われてきてまぶたが上がらなくなったので諦めて寝た。

夜、西尾佳織さん主宰「鳥公園の読書会」に参加。今年で3年目になる。続けるっていいですね。この日は古井由吉 著『杳子・妻隠』(新潮文庫)の「杳子」を。杳子のような「病者」が異常な人だとは僕は思わない。生まれてから死ぬまで、心身の発達、その間のライフイベント、怪我や病気エトセトラによって、死に近づいたり生に近づいたりして揺れながら人は生きて死んでいくわけで、病者・障害者と呼ばれる人は、平均として相対的に死に近いと言え、それを象徴するような「症状」が前景化することが多いに過ぎず、作中の杳子とSのように、相手が相対的に「健康人」であっても、お互いの波長が近づき重なることもあれば、反発し嫌悪し遠ざかることもある。わからなさ、重なりきらなさに留まってなお関わろうとすること。最後の二行が殊に良かった。

21時から「コモレビ」の編集定例をZoomで。終わってから疲れてそのまま寝てしまった。

Note 2022/05/25

■摂取した表現物
古井由吉 著『杳子・妻隠』(新潮文庫) 1.5時間

■日常生活、心身のケア
朝晩の服薬:△(夜の分を飲まずに寝てしまって翌朝に)
就寝時、寝室に携帯を持ち込まない:✗
1日1時間は歩く:△ iPhone歩数計6717歩(歩く時間は短くなったが介助で身体つかったのでよし)
朝ではなく寝る前に風呂に入る:✗
風呂上がりにストレッチ:✗

■出会った・かかわっている人たちの活動の紹介と、ご一緒しているお仕事で出したものなどの記録
鳥公園の読書会2022