お盆で保育園休みなので、仕事やらなんやらにムスメを連れ回している。いろんな大人たちと出会うムスメ。最初はドキドキだけど、帰る頃にはニコニコ。そんな日々。
この日は2人で電車に乗って藤沢へ。結ライフコミュニケーション研究所の高橋さんに会いに行った。こちらの「五十音の呪縛」をテーマにした学会発表を友人に教えてもらい、日頃の問題意識と強く重なる内容だったので思わず連絡を取り、それでお会いすることになったのだ。
高橋さんは、「指伝話」というアプリも開発・提供されている。
コミュニケーションツールは現在では本当に多種多様なものがつくられているが、「機能」に着目しすぎると、それを使うことが目的になってしまい、使う人本来のニーズと乖離する、ということは往々にしてある。高橋さんはご自身のサイトで、ICTは「機械」ではなく「機会」であると語られているが、僕も同感だ。ICTをはじめとするツールに対する捉え方や関心も人によってさまざまだし、持っている心身機能や生活環境によってニーズも変わってくる。ツールをまさに「機会」として活かすことができるかどうかは、それをきっかけや媒介としながらも、本人や周囲の人がどんなコミュニケーションを取るかにかかっていると思う(ツールだけ用意してぶん投げるのか、それを使うことの楽しさや可能性を感じられるような導入体験を創出するのか)。
高橋さんがこれまで出会い関わってきた人たちとのエピソードをお聞きしながら、お寿司をご馳走になったり、ムスメと一緒に遊んでいただいたり、とても愉しい時間を過ごさせていただいた。
今回のご縁をもたらしてくれた友人のあすかさんと途中でFacetime通話をつなぐ。ノルウェーに着いたばかり。一時滞在先の窓から空や街並みを見せてもらい、あぁ、本当にノルウェーに行ったのだなぁと実感が湧く。
マスクや感染症に対する人々の感覚も日本とはだいぶ異なるようで、その辺の雰囲気も聞いた。自分が今いる場所とは違った「世界」がいくつもあるということを、直接的にでも間接的にでも知っておくこと、それを心の片隅に置いておくことは、日々を穏やかに生きていく上でとても大切なことだと思う。
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帰りの電車、ムスメを抱っこしながらWITH ALSの武藤さんにメッセを送った(あすかさんは彼が運営する重度訪問介護事業WITH YOUのヘルパーとして、出国直前まで武藤さんのもとで働いていたりと、色々と偶然の繋がりが多い)。久しぶりにゆっくり話そうということで、今から楽しみだ。現在のこと、未来のこと、色々と。
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岡田育さんに久しぶりに連絡して、先月末に退社したことを報告した。留学中か、帰国して入社前かにお会いした時に、「実際いつ辞めるかはさておき、少なくともそこにいるうちは10年働くつもりで過ごした方が、結果的に得られるものが大きくなるよ」といった言葉を贈っていただいたことがあり、これは本当に僕が勤め人を続ける上で一番の支えとなった言葉なのである。
結果、6年勤めて独立した。こんなに長く続くとは想像していなかったけど、それは育さんにもらったこの言葉の影響がきっと大きい。
以前、媒体からご依頼いただいてキャリアについてこんな記事を書いたが、「○○以内にこうなる!」といった未来からの「逆算」型の計画ではなく、未来への意思や願いを持って「現在」にコミットする、ということなのだと思う。
鎌倉武士の言葉に「一所懸命」というのがありましたっけ。きっとそういう感覚。
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夜に会議を1件。
考えることは山程あるけど、一つ一つ誠実に重ねていくしかないな。
つかれたー。
じんせい。