14 畑を営む

 「畑を営む」。

 ある日ふと、そういう言葉が頭に浮かんだ。手持ちの電子辞書『三省堂国語辞典』によると、「営む」の第一の意味は、「生活や仕事を、毎日休みなくおこなう」ことらしい。はたして私は畑を営んでいると言えるだろうか。

 今年も昨年とそう変わらない春夏用の作物を植えるつもりで準備している。変わったのは、ミニニンジンをやめてラディッシュをたくさん撒くのと、ピーマンの代わりに万願寺トウガラシを植えようかと思っているくらいだ。

 万願寺トウガラシは友人おススメの品種で、辛くないトウガラシらしい。焼いても煮てもおいしいのだとか。今から楽しみだ。連作障害を避けるために、畝を一つずつずらして植えるつもりだ。

 すでに2月半ばに土を耕し、有機石灰を撒いた。ほんとうなら先週くらいに有機肥料を撒くつもりだったのだけれど、わたしはインフルエンザにかかってしまった。病に臥せっては畑もままならない。健康のために畑をはじめたが、畑をやるためには健康でいなければならない事態になっていて、これはとてもいいことだと思う。

 昨年一緒に畑をはじめた友人はいつの間にか来なくなってしまったので、友人の使っていたスペースには花を植えようかとも企んでいる。畑に加えてガーデニングだ。手が追いつくだろうか。

 前回紹介した本『土を育てる』を少しずつ読み進めている。今年は畑や土についてもたくさん学んで、それを実践に活かしていきたい。冬の間はすっかり休んでしまったから、これから春夏に向けて日々畑を営んでいきたい。