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亭主関白でもキラキライクメンでもないフツーの男たちはどうやってパパになっていくのでしょう

September 10, 2017 Yuhei Suzuki
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おもむろにツマのお腹をさわってみる。さわさわ。大きい。

「妊婦だ、これ。妊婦然としている」「いや、妊婦だよ」みたいなやりとりを何度したかわからないが、そうこう言ってる間に妊娠7ヶ月、ツマのお腹はどんどん大きくなっている。

年末、父親になる。らしい。

妊娠をし、安定期を迎え、周囲にも公表し、両親学級に参加し…と着々と「その日」に向かって時計の針は進んでいる。知らない間に人生が進捗している。

「名前はもう決めたの?」「男の子?女の子?」「育休はとるの?」「ベビーベッド、あげようか?」などなど、周囲の人たちも色々な声をかけてくれる。

とはいっても、今日とか明日とか今週とか、短いスパンで見たときの生活がそんなに劇的に変わるわけでもなく、相も変わらず朝から晩まであくせく働き、夜寝る前の短い会話で、「名前どうしようかなぁ」「そうだねぇ」とか、「あ、今お腹動いてるよほらほら!」「んー、おー、ほんとだぁ」とか、ツマの言葉に生返事をしながら、特段その場で何かアクションを起こすわけでもなく、疲れて寝落ちする、みたいなそんな毎日である。

「実感、湧く?」と聞かれると「『実感が湧いている』という状態がどんな状態なのかわからない」とかめんどくさいことを答えている。つまり湧いてないってことだ。

徐々に徐々に、自分の内側で生命が大きく育っていく様子を感じる母親と違って、父親は「ある日突然」父親になるのである。「実感湧く?」とか聞かれたってわかんないっすよ、正直。

時は2017年、現在29歳。さすがに世代や時代だ、出産・子育てに対して無関心・非協力的ではないつもりだし、昭和な亭主関白チチになりたいとも思わない(し、たぶんなろうとしてもなれない)。

サボるつもりはないけれど、とはいえ器用な人間じゃないし、仕事も働き盛りだし、絵に描いたようなキラキラパーフェクトな「イクメン」になれる気もしない。

そんな風にして、ポジでもネガでもないけれど、いやどっちかというとポジなんだけど、自分のエネルギーを急に出産・育児に振っていけるほどの余白もなく、どちらかというと受け身で、この「プレパパ」ステータスを持て余しながら日々を過ごしている。

とはいえ時間は過ぎていく。 まだ4ヶ月ある、とか言ってると一寸先は年末である。

僕の実感が湧くかどうかなんてものは、ツマの身体と、生まれてくる赤子にとってはどうだっていい。二人の生存と健康を守ることが重要なわけで、そのために必要な行動をしていくことが自分の役割だ。

たとえばお金。どれぐらい貯金してどう積み立てていく必要があるのか。現実的にその余力をどう作っていくのか、月々の収支構造をどう変えていくのか。

たとえば保育・医療。ただでさえ、赤子の身体はデリケートだが、我が子が先天性の病気や障害と共に生きることになった場合、今の医療には何ができて、親としてどのような情報を収集し、どこと相談・連携する必要があるのか。

それからツマ。しっかりもので私などよりよっぽど生活力もあり、着々と母になる準備を進めているが、マタニティブルーとか産後うつというのは誰がなってもおかしくないものだ。今も元気に働いてはいるが、これから妊娠後期に入って体調がどう変化するかもわからない。「彼女はしっかりしてるから」と安心しているのが一番危険だ。「もしも」の時に自分は何をどう判断するか、そのための価値基準は。ツマとちゃんと話しておく必要がある。

それから自分。子どもが生まれた、父親になったという変化を自分のアイデンティティのなかにどう織り込むのか、その上で働き方暮らし方をどう転換させていくのか、否が応でも考えなければならない。我が家は共働きだが、ツマが以前から「自分にとっては育児が一番大事だから、フルで育休をとる」と明言しており、ひとまずは僕が外で働いて稼いでいくことが家計のメイン収入をつくる。そうはいっても今まで通り朝早くから夜遅くまで働き続けるなんてことはできなくなってくるだろう。「自分ががんばる」のではない形で、チーム全体が回るマネジメントを体得しなければならない。

…真面目なことをつらつらと書いたが、僕は生粋の怠け者で現実逃避癖があるものだから、このまま過ごしていると周囲から強制されない限り、特段なーんにも動かないまま、うっかり「その日」を迎えかねない。

というわけで、自分のケツを叩く意味も込めて、プレパパ学習・奮闘記を記録に残してみることにした。

上記に書いたような産前産後の重要トピックに対して我が家が何をどう考えて、どう行動したかを記録したり、関連する制度やサービスを調べた結果を共有したり、先輩パパママや、出産育児に関わる人や、その他さまざまなパートナーシップ・家族の形をデザインしている人たちにお話を聞いたり、していく予定。

同じように第一子の出産を控え、どうしたもんかなぁと思っているプレパパや、ミレニアル世代の子育て事情に興味がある先輩方なんかが、戯れに読んでいただければこれ幸い。

ボーっとしていたってたぶん「実感」なんてものは都合よくやってこない。こういうことを書いている時点ですでに、頭から入っているのは明らかなのだが、とにかく頭と身体を動かしていれば、いつの間にかパパになっている、そうしたもんだろうと思う、ことにしている。

In essay Tags male-hus-dad-parent-andme
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