午前のミーティングを終えて、カウンセリングへ。13:30の予約なのに、なぜか13:00スタートだと勘違いして、やばい遅刻だーと駅からダッシュし、13:05ぐらいに息を切らしながらピンポンを押したのだが「早くないっすか?」と先生に言われ、あ、と気づく。
斜め向かいの中華屋に入ってお昼を食べることにした。おすすめトップ10を書いたラミネート加工のメニュー紙、1番は焼きそばだった。焼きそばかぁ、焼きそばもいいけど、五目炒飯もいいなぁ、と目を滑らせていくと、7位ぐらいに「肉細切りそば」というのがあって、お、これは焼きそばに肉が加わってちょっと高いけどいい感じの焼きそば的なやつじゃないかなと思って「肉細切りそばくださーい」って注文したら、出てきたのがスープに入った肉多めの中華そばだった。そっちかぁー。それはそれで美味しかったんだけどね。
13:30になったので再度ピンポンを押してカウンセリング。1ヶ月強、集中的に通って、ひとまず今日が振り返りも兼ねてこれからどうしますかの回。親からの「相続」経験の欠如、縦糸が繋がってない感じ。だから横糸でフラットに人と関わろうとしているのかもしれないということ。それでも、子どもが産まれて親になり「相続させる」側の立場になったこと。などなど。
精神分析的に引き続き掘り下げていくとまた見えてくるものもありそうということで、それは興味があるのだが、直近少しお金が厳しいので、たぶん6月以降ぐらいか、また自分から連絡するということにした。密室でゆっくり話を聞いてもらうという時間、とても良かった。
障害年金申請用の診断書を取りに、中目黒へ。クリニックが開くのが夕方5時なので、それまでファソンで過ごす。店員さんに「今日もサンドイッチ食べますか?」と聞かれ「今日は珈琲だけで」と答えてふふふと笑うなど。僕はランチ的な時間に入って、珈琲だけでなく、サンドイッチとかも注文して食べることが多いのです。それを覚えて聞いてくれるというのが嬉しいですよ。
診断書を受け取ってから、スタバでZoomつないでミーティング。一緒につくっている書き物がだいぶ出来上がってきて、ようやくという感じ。
家に帰って、夕食を食べ、洗い物してから鳥公園の読書会。2回に分けて読んだ、アラン・シュピオ『フィラデルフィアの精神』の後半。
自らの根拠の拒絶と、アイデンティティの要求とは、つきつめて言えば、各人が自由に振る舞い、活動できるくらい確実な場を各人に確保することの困難という、同じコインの表裏でしかない。同様に、商品や資本の流通を妨げうる障壁すべての撤廃は、この撤廃によって困窮に突き落とされ逃亡を余儀なくされた人々の往来を禁じる壁の建設と対を成している。このようにグローバル化とは、液化した無境界の世界というユートピアと、バリケードや「ゲート・コミュニティ」の増殖との間を揺れ動いているのである。こうした袋小路の前では、過去の境界を再建しようという誘惑からだけでなく、そうした境界を無視して過去を一掃しようという誘惑からも身を守らなければならない。そのためにはまず、近代以来国家や個人についての私たちの表象を支配してきた、主権という形象の歴史的な凋落を確認しておくことが必要である。
第五章 「限界の技法」 pp.107-108
このあと、現代のグローバル社会は、ピラミット型の近代国家成立以前の、ネットワーク型の封建制社会と相似形であるということをアラン・シュピオは指摘していて、それは、そうだよな、確かに。
このような展開を嘆いても無駄であるし、国民国家と法による統治をまるごと回復できると考えるのも幻想である。新たな全面的依存状態の出現は、ピエール・ルジャンドルの言う「自己定礎する主体王」という錯乱に直面した法システムの免疫反応である。私たちのウルトラモダン社会のあちこちで実感されている苦悩の原因は、各人が自らの人生の至高なる統治者をもって任じるよう強要されているのに、各人の地位はもはや法律によって保証されておらず、各人が他人と結ぶ情緒的・経済的関係の強固さに依存していることである。ナルシシズムや鬱状態には最適な土壌だ。
第五章 「限界の技法」 pp.113-114
セキュリティ(安全)が担保されていないのに、自分の人生は自分でいい感じにやっていってくれという、自由/自己責任論。ナルシシズムや鬱状態には最適な土壌だ、というのは、改めて文字にして突きつけられるとぐええという感じである。右派も左派も鏡の裏表のようにそれを推進しているように見える。
八章・九章でそれぞれ「責任」と「連帯」の概念やあり方を再確認していて、悲観ばかりで終わらない本であり、抗うための実践の糸口や宿題は色々あるなぁという読後感であった。それぞれのレイヤーと領分で実践と行き来しながら読み続けると良い本だと思う。
読書会を終えてから、少し遅めのスタートで「今宵の一節」。斉藤斎藤『人の道、死ぬと町』を読みました。
ジーンズの裾上げを待つ15分こころをこめて本屋で待った
これ、とても好きです。