[Research] 「諸外国における訪問看護制度についての調査研究事業」

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平成25年度老人保健健康増進等事業(厚生労働省)にて、「諸外国における訪問看護制度についての調査研究事業」を行い、報告書を作成しました。

Public Health × Marketing のシンクタンク、「キャンサースキャン」の皆さまとのプロジェクトです。イギリス&スウェーデンパートの文献・現地調査と報告書執筆を担当しました。
高齢者ケア、コミュニティケア、介護や看護分野の実務・政策に関心のある方は是非ご覧ください。

報告書のPDFはこちらです。

第1章 事業概要 第1節 背景と目的 より転載

厚生労働省は、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、病気や障害を持
った人が住み慣れた地域において自分らしい生活を継続できるよう、地域の包括的な支
援・サービス提供体制の構築を推進しており、訪問看護は、その中でも在宅での医療と介
護をつなぐサービスとして、今後より一層の充実が求められている。特に、安定的な訪問
看護サービスの提供体制の構築に向けて、諸外国における訪問看護制度との比較を踏まえ
て議論を行うことは、重要かつ緊急の行政課題である。

しかし、既存の調査研究は、海外文献も含め、各国の在宅医療もしくは在宅介護に関す
る制度全般を対象としており、訪問看護に焦点を絞った制度の国際比較はなされていない。
つまり、諸外国における訪問看護は、在宅医療や在宅介護を支えるサービスの一つとして
紹介されるにとどまっており、わが国における訪問看護サービスの充実に向けて、制度設
計の参考になるような知見はほとんど得られていない。

一方で、訪問看護制度に関する議論は、その特性上、在宅における医療と介護それぞれ
の制度について網羅した、より包括的な視座が求められるが、国際比較を目的とした既存
の調査研究はそのどちらか一つのみを扱っている場合が多く、各国における訪問看護の位
置づけは明らかにされていない。例えば、イギリスの訪問看護サービスは、国が全ての住
民に対し公平無料で提供する保健医療サービスのひとつとして位置づけられており、地方
自治体が提供する在宅介護との連携は弱いが、ドイツでは、看護師が提供する身の回りの
世話は介護保険を財源としており、訪問看護と在宅介護は一体となって提供されている。
また、単なる制度の比較に終始することなく、わが国における訪問看護制度について示
唆を導くことは大きな課題とされている。諸外国における保健医療福祉政策の理念や課題
にはバラつきがあるため、各国の訪問看護制度との類似点や相違点を踏まえなければ、日
本の現状に沿った施策の参照や応用は難しい。

以上の背景をもとに、本事業では、1)諸外国における保健医療福祉制度の成り立ちを踏ま
えながら、訪問看護サービスの財源や支払制度、訪問看護サービスの提供体制、その教育
制度についてまとめ、2) 各国で実施された訪問看護に関する調査結果を紹介し、3)日本の
訪問看護従事者の確保に向けて、諸外国において参考となる施策や事例をもとに政策的示
唆を与えることを目的とする。

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